サッカーW杯。日本代表に足りなかったものとは?

さばりん

日本代表がベスト8以上に進むためには?

【始めに】

 ※このエッセイはあくまで個人的な意見ですので、気軽に読んでいただければと思います。


【本編】

 カタールW杯に挑んだ日本代表。

 史上初の、二大会連続グループステージ突破という快挙を成し遂げましたが、残念ながら決勝トーナメントの壁は厚く、クロアチアに惜しくもPK戦で敗れてしまい、またもベスト16という結果に終わってしまいました。


 前回のロシア大会と比べても、明らかに選手の質は上がっているのに、どうして今回、クロアチアに勝ち切ることが出来ず、ベスト16で敗退ということになってしまったのか?


 それは、三つの要因が挙げられると、個人的には考えます。


 ①圧倒的PKの経験不足

 ②GK側のPK経験不足

 ③ポゼッションサッカーの欠如


 以上の三つが、いま日本に足りない世界との差だと思っています。

 では、それぞれ詳しく解説していきたいと思います。


 ①圧倒的PKの経験不足


 現在の日本代表は、多くの選手が第一線で活躍しています。

 90分や延長戦でのサッカーという意味では、戦えるメンバーが揃っていました。

 しかし残念ながら、PK戦という点だけでフォーカスすると、世界的に活躍している選手はいません。


 どういうことかというと、日本代表の選手は、各国のクラブチームに所属しており、スタメンで活躍しています。


 PKはPK戦だけでなく、試合中に発生する可能性もあります。

 しかしながら、今回召集された日本人選手の中で、クラブチームで試合中にPKを任されている選手がほとんどいないのです。


 今回残念ながら失敗してしまった選手も、所属チームでスタメンとして活躍していますが、PKキッカーを務めていることはありません。

 そのため、試合の独特の緊張感の中でPKを決めきるいうメンタルと経験を、日本代表選手は持ち合わせていなかったのです。


 同じグループであったスペイン代表監督のコメントによれば『PKは練習で1000回してルーティンを手に入れることによって多少なりとも対策出来る』と言っています。


 しかし、蓋を開けてみたらどうでしょうか?

 決勝トーナメントで、スペイン代表もPK戦で敗れてしまいました。

 しかも、全員失敗というまさかのPK0-3という結果です。


 やはり、練習では味わえない、本番の緊張感。

 群衆(観客、ファン)に見られているというプレッシャーは、本番でしか経験出来ないのでしょう。

 練習では、ファンはいませんからね。


 ※筆者としては、スペイン代表の選手が全員外すとは予想だにしていませんでした。

 世界での経験もあり、実績もある選手が蹴っていたので……。

 やはりPKは、奥が深いですね!



 ②GKのPK経験不足


 続いて、GKの差についても説明していきたいと思います。

 前置きをしておきますが、日本代表の権田選手が素晴らしいセービング能力を持ったGKであることを否定するつもりは全くありません。


 ですが驚くことに、森保JAPAN発足の2018年からの四年間、権田選手が守護神として活躍してきた日本代表は、なんとPK戦までもつれた試合が一度もなかったのです!

 つまり権田選手は、代表という国際舞台において、PK戦の経験が無かったことになります。

 これは、①の経験不足と少々被る部分かもしれませんね。



 クロアチアも過去四年間、国際大会でPK戦にもつれた試合はありません。

 しかし、四年前のロシアW杯決勝トーナメントにおいて、PK戦を二回勝ち進み、見事決勝へと駒を進めています。

 相手GKのリヴァコビッチ選手は、当時控えGKでしたが、しっかりと前回大会の教訓を生かしていたということになりますね。


 一方で日本が国際大会で最後にPK戦を行ったのは、2015年のアジアカップまで遡らなければなりません。

 この時、権田選手は日本代表に召集されていませんでした。

 やはり、世界の舞台でPK戦の雰囲気を経験しているというのはGKにおいても重要なようです。


 これは余談というかたらればの話になりますが、国際舞台でPK経験豊富な川島選手をPK戦前に投入していたら、結果がどうなっていたか個人的には気になりました。



 ③ポゼッションサッカーの欠如


 これは、ボール支配率及び戦術の問題にもなってくるので、少し難しい部分にもなります。


 グループリーグ、ドイツ戦やスペイン戦でのボール支配率は、日本は20%にも届きませんでした。

 それでも、粘り強い守備で最少失点に抑え、勝利をもぎ取りました。

 80%相手にボールを持たれていても、残りの20%で得点を取り、守り切って勝利することが出来るのです。


 しかし裏を返せば、日本は自分たちのボール支配率が高くなればなるほど勝てないのです。



 それは本当なのか?



 では、今回のW杯で日本の支配(ポゼッション)率を見てみましょう。

 

 支配率


 勝利

 ドイツ戦17%   2-1○

 スペイン戦16%  2-1○


 敗戦

 コスタリカ戦56% 0-1●

 クロアチア戦42% 1-1△ ※延長戦を含めた120分では1-1の引き分け





 なんと日本は、ボールを持てば持つほど、逆に得点が取れなくなっていて、勝利を奪うことが出来ませんました。



 では、なぜこのような現状が起こったのか?


 いくつかの要素が絡んでいるため、一概には言えませんが、端的に言えば、ドイツ戦やスペイン戦で見せたような守備的な戦い方をした日本ようなチームを、日本は逆に崩すことが出来ないのです。

 

 そりゃ、あのドイツやスペインでさえ1点しか取れないんです。

 日本が守備的に来るチームに対して得点を奪うのは至難の業だと言えるでしょう。

 

 それでも、その組織的な守備を崩して得点を奪わければ、ベスト8ないしはその先は見えてこないのです。

 実際ポゼッション志向のスペインでさえ、決勝トーナメントでモロッコに得点を奪うことが出来ず、PK戦で敗戦してしまったのですから。


 となると、ポゼッションサッカーの概念を持ち合わせていない現日本の体制では、ベスト8が厳しいのは明らかでしょう。


 つまり、日本代表が今後世界に打ち勝っていくためには、【守備的な組織で引いて守ってくるチームに対しても、崩して得点を量産することが出来る】能力(チーム作り)が必要になってくるのです。

 

 この能力を日本が身につけるために、最も重要になってくるのが監督選びです。

 組織的な守備を崩すことの出来る戦術、戦略を明確に持っている監督。

 

 選手の質は揃っているからこそ、日本が今後世界の舞台でさらに高みを目指すために必要なことではないでしょうか?



 以上、三点から見てきましたがいかがだったでしょうか?


 あくまで個人的意見ですので、人それぞれ見解を持っていて構わないと思います。


 私が、現役選手として日本代表に入ることはもう出来ません。

 だからこそ、何かしらの形でこうして誰かの目に止まることで、誰かの糧になってくれればと思います。


 将来、日本がW杯で優勝できるような未来を考えながら、皆さん全力で応援サポートしていきましょう!

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