第20話 相談②
電車に乗る三日月に手を振って、家への帰り道をゆっくり歩く2人。
満が困った様な笑みを浮かべて口を開いた。
「まさか俺の弟があんなに人が良いとは思わなかったよ……。元々優しい奴とは分かってたけどさ。」
「流石にお人好しすぎない?食費以外全部出してるのはヤバいし、買い物行かないから自分で行って、お金も自分で払ってちゃ全く貯金出来なかったでしょ。」
涼子は更に怒りが籠った声で続けた。
「し、か、も、それで彼女が貯金出来てないのは本当におかしい。聞いてた感じ服とか趣味にお金を使ってる感じじゃ無いっぽいし……。」
そこまで言ってから、じっと考えるようにして黙り込んだ涼子と、考え込む満。
2人は眠りに着く直前まで、そのまま無言だった。
三日月の話の内容を思い返した2人は、同じ事実にたどり着くこととなった。
「……満。三日月君の事、支えてあげようね。また1人で進めるようになるまで。」
「もちろん。」
割れた花瓶は直らない 白久 巻麩 @kimidori4489
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