第5話 約束

あのキスから数日。

私は気づけば先生のことを思っていた。

頭ではわかっている。

あんな軽いの遊びだよ、って。

お互い場に流されただけだよ、って。

それでもあの日の事を思い出してはLINEが来ていないか、電話はならないか、何度も携帯を見てしまう。

自分からは連絡しない。

相手に「連絡来ないかな?」って思わせて私の事で同じようにドキドキして欲しいから3日はあける。


3日目、先生から連絡がきた。

デートの約束だ。

先生は学校や部活があるし

私は土日は子どもがいるから家を空けたくない。

2人が都合が合うのは平日の夜ということになった。

先生の地元で美味しいご飯屋さんに連れてってくれるという。

デートの日まで私は甘いものを控えたり

洋服や髪型に悩んだり

スキンケアに力を入れたりと自分磨きをした。

当日は子どもに夕飯を作り置きし、外に出る口実を考え、万一のためにムダ毛処理をしたり…

こんな気持ちは久しぶりだった。

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バカな女 ラビット @tworabbits

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