Sight

梅緒連寸

⬜︎

背中が川底についたときに見えたのは水中で乱反射する星の光だった。

今まで空を見上げても、あれほど幾つもの輝きを目にしたことはなかったと思う。

ここが暗くて冷たい場所だからか。肺の中に入り込んでいく水が、私の脳を絶やしていくからか。

走馬灯が見えると聞いていたが、こんなにもはっきりと自分の目で見えるものなんだ。

星の光をきらきらした宇宙船の艦隊が横切る。視界の隅でふわふわと星雲が渦を巻いている。

清浄な空間では明らかに異質な、ごつごつした汚らしい影が流れてきた。

ああ、あれが宇宙のごみだね。

捨てられて浮かんで、衝突して燃え尽きるかわいそうなごみだね。

ごみは沈み切った私の体を置き去り、遠いほうへ向かっていく。

吐いた泡がたてるゴボゴボとした音が耳に心地良い。

徐々に見える範囲が狭まってきた。宇宙の神秘的な光景も、なんだかチカチカしてきてよく分からなくなってくる。

こめかみのあたりでブチンとなにか弾けるのを感じた。ほんとうの真空と闇が訪れる。

なにも感じないが、おそらく今も星が輝いている。

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Sight 梅緒連寸 @violence_

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