第7話 卒業

7話 卒業


2182年 3月 


この訓練所に来て二年が経ち、俺らはここを出ることになる。


つまり、入隊することになるのだ。


俺らはとうとう。


「いやーつらかったな、この二年」


俺らは最後の集まりを終え、食堂でいつもの4人で固まっていた。


みんなでこの二年のつらさを愚痴っていた。


「でもよ、俺はなんだかんだ楽しかったぜ」


「クマちゃん」


「最初はちょっと別の事を考えて、そんな事考える余裕もなかった。けど、お前らと関わって

いるとそんな事がどうでも良くなるくらい楽しかったよ。だから乗り越えられた気がする」


「僕もそう思うよ」


べべとビルが今までの思い出に浸っている。


確かに、ベベは最初にあった時はずっと殺気だっていた気がするが、そのメリハリが付けて、

楽しむときは全力で楽しんでいた。


「それでも、きつかっただろ」


と、ケンが言い、みんなが笑った。


俺もこの二年間を思い出してみると、こいつらとバカして楽しかった思い出もあるが、ほとん

どは辛く、きつかった、訓練の思い出だ。


やっと、あれから解放されるのか。


そう考えると良かったのか。


「それでも、楽しかったぜ俺も」


「そうだよな」


ここにいるのも今日で最後、俺ら以外にも集まって、話している。


グループによっては泣いて、抱き合っている所もある。


無理もないな。


俺らも最後の会話を花を咲かせて話していた。


すると、


「Bクラスで写真撮ることにしたんだが、こっちにきてくれないか?」


と、アレンが来た。


「おう、わかった。いいよな?」


べべが答え、俺らも頷いた。


特に断る理由もないし、それに残すころができる。


思い出を。


それにクラス内で集まれるのなら、エヴァもいるだろうし、ちょうどいい。


こんな日に個別に呼び出しなんて、告白と勘違いされ、冷やかされたりでめんどくさい事に

なりそうだしな。


俺達はアレンに付いていき、Bクラスが集まっている所に着いた。


「おっ、これで全員揃ったね」


エヴァがそう言った。


そうやら、俺ら四人が最後だったみたいだ。


そして、全員で写真を撮った。


写真を撮り終えると、クラス内で談笑が始まった。


ベベ達もクラスの別の奴と話している。


「エヴァちょっといいか?」


「んっ?別にいいけど」


俺もエヴァに用があるため、呼んだ。


その際、エヴァと話してた奴はまさか?と反応をしていた。


結局こうなるんか。


まあ、いいか。


とりあえず用件だけ言うとしよう。


「確か、イギリスの方に行くんだよな」


「そうだけど、それが?」


一昨日に自分がここを出たらどこに行くのかを発表された。


ケンがどうやって知ったのかを知らないが、エヴァがイギリスに行くという事を教えてくれ

た。


その後に、俺はサンダーズが現在どこに配属されているかを調べるとイギリスのカゼハル中

佐が率いている駐屯地に所属していることがわかった。


「カゼハル中佐の部隊か?」


「うん」


と、頷きながら返事された。


ひとえにイギリスと言っても、他にも駐屯地がたくさんある。


そのため、同じ駐屯地とは限らなかったが、その心配はなさそうだ。


「これを頼まれてくれないか?」


俺はエヴァに本を渡した。


「これって、あの時の?」


「ああ」


エヴァに渡した本は一年前に中央に集まった際にサンダーズさんから借りたものだ。


俺の配属はイギリスではなく、次いつ会えるかがわからない。


エヴァ伝いではあるが、返せるチャンスがある時に返しておこうと思った。


だから、


「もし、ウィリアム・サンダーズ少尉と話すきっかけがあったら返してもらえないか?」


エヴァに今頼んだ。


「いいけど。同じ駐屯地でも会えるとは限らないよ」


駐屯地と一括りしても、この訓練所にいる人数よりも圧倒的に多い。


たいして関わった事がない特定の人と話すなんて、結構難しいが、


「俺よりもチャンスが多いし、頼むよ」


「んー、じゃあ今度奢ってね」


少しエヴァは考え、条件を付けてきた。


「そんなんでいいなら、頼む」


今度奢るという交換条件のもと引き受けてもらった。


「それにしても、中央に行ったときにサンダーズさんと何かしてたのね」


「まあ、そうだな」


「で、何したの?」


「気になるか?」


エヴァは頷いたので、


「別にただ、本のやり取りしてただけだ」


「へー、そうなんだ」


「それよりも、頼んだからな」


「うん、頼まれた。そっちも覚えといてよ」


「ああ」


俺は自分のお願いもして、約束も取り付けられたのでここを後にした。


ベベ達のもとに向かおうとすると、後ろから肩を組まれ、振り返るとケンだった。


「結果はどうだったんだ?」


「何が?」


「告白だよ、告白」


何でこうなるんだ。


「ちげえよ。頼み事だよ」


「何だ。じゃあ、俺が行って来るぜ」


そう言い、ケンは向かった。


が、直ぐに帰ってきた。


「ドンマイ」


と声をかけ、ケンは頷いた。


その後はベベ、ビルと合流して、話を続けた。


「あっ、教官だ。珍しい」


べべが教官が来たことに気付いた。


コンゴウ教官は教官の中でも俺達訓練生とは関わらない方である。


Dクラスのマイル・コヨーテ教官なんかはDクラス内でよく関わって、仲が良く映っているが

、俺達の教官はそんなことない。


それに、淡泊で厳しい人だった。


だからこそ、この場所に来たのは意外だったが、


「やっぱり、あの人だな」


話しかけられてはいるが、全て簡単な対応で済ませていた。


そして、こっちに向かってきた。


「バトラー、少し時間いいか?」


「えっ!あっ、はい」


どうやら俺に用があったみたいだ。


ベベ達は少し驚いていた。


コンゴウ教官は指をさし、俺達はその方向へと向かった。


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訓練所には各教官に部屋が用意されており、俺はそこまで連れてこられた。


「これも何かの縁かもな」


教官はいきなり話し始めた。


「何がですか?」


いきなり縁といわれても訳が分からないんだが。


「お前が行くところは日本の関東だったな」


「はい」


この大陸では南と北で起ってはいるが、そんなに激しくなく、守りが固い。


相手側もその事が分かっているのか、この大陸での戦いに積極的ではない。


そのため、この大陸の訓練兵は俺やエヴァのように除荷の場所に行かされる人も多い。


だから、俺もこの大陸から出て、日本の部隊に配属になった。


コンゴウ教官は名前的にも日本出身ぽいが、それが縁なのか?


でも、少ないとはいえ俺以外にもいる。


「それがどうしたんですか?」


なのに俺にわざわざ話しかける意味は何なのか。


「まだ、変わってないのか?」


「ん?」


「お前の目標だよ。止めたいんだろ、戦争を」


確かにそうだが、俺は教官にそんな話をしたことはない。


俺の目標を話したのはいつもの3人組とエヴァやリアムくらいだ。


「"旗取り"の試験準備の時、デイビス達と話してただろう。明日を迎えたいって」


確かに言った。


そういえば、その話のすぐに教官が入ってきたな。


聞いてたのか、この人。


「珍しいんだよ。お前のような奴は」


確かに、ここに来ている人の多くはベベのような復讐が目的な奴や、ケンのように出世を目

的にした奴が多い。


だが、全くいないわけではない。


"旗取り"の際のDクラスのリーダーを務めた、ガットなんかも俺と同じような目標だった。


だから、珍しくないってことはない。


「お前の出身は太平洋に浮かぶ島の一つエルミースアイランドだったな」


「はい」


「異世界が統合されたことによって現れた島、向こう側の島だったな」


このことはあの3人ですら知らない。


こんな世の中だ、異世界人と関わっていると知られたらそれがどんなものでもヘイトが、高

まってしまう。


また、スパイやら解放軍なんかに疑われる可能性もでてきてしまう。


だから、この訓練所では言っていなかったんだが、教官なんかは俺らの情報はしっかり持っ

てるよな。


「はい。元々、調査のためにその島に行った両親の間で俺は生まれ、育ちました」


今更俺は疑われているのか?


「でも、ただそれだけですよ」


俺は弁明するように言った。


「ああ、わかっている。別に疑ってはいない」


教官は椅子に座り、俺に向かい側に座るように促したため、俺も座った。


「あの島も、始まってすぐに向こうの相手の結界魔法によって交流が断たれ、しばらくして

、お前のような奴らはすぐに避難させられた。そんな疑いはないし、ある奴はここには来れ

ない」


そうだよな。


良かった。


俺は少し安心をしたが、ならここに呼ばれたのはなぜだ?


ますます、わからなくなった。


「ここにいる奴の多くは復讐者だ。そういう奴らは執念がある。周りを見たらわかるだろ」


俺は真っ先にベベを思い浮かべた。


故郷を亡くし、その恨みから、ここに来ている。


他にもそんなような奴らは多く、その恨みの執念で厳しい訓練を乗り越えた奴も多いい。


「だから、珍しいんだよ。異世界人と関わっている奴は少ないが、いないわけではないそいつ

らにはないんだ、執念が」


俺はただ黙って聞いている。


「だが、お前は持ってたんだよ。執念に似た覚悟をお前の目標にな」


「それが、珍しいんですか?」


「ああ、お前のような奴が持っている事は少ない」


「そうでもないんじゃ、俺の父は同じように徴兵されて戦死してますよ。持っててもおかし

くないんじゃないんですか」


俺の母はまだ健在ではあるが、父は戦士している。


俺みたいに戦争とは直接関わっていない奴もいるが、必ずといっていいほど間接的に関わっ

ている。


「俺が持っててもおかしくないんじゃ」


「そんな奴はお前のような目標は持たんよ。両方の種族が無事に戦争を終わらせるなんてな」


「なっ!!」


俺の目標はそうだが、何で知ってんだ。


誰にも言ってないのに。


「そんなに驚くなよ。あんな話を聞いて、色々調べたりしたら予想ぐらいつく」


そんなの知ってこの人はどうする気なんだ、俺を。


「お前が所属することになる小隊を率いるのは"コジロウ・アカガネ"少尉だが、俺の知り合

いなんだ」


そうだったのか。


俺の所属や駐屯地を率いる連隊長の名前くらいは知ってたけど、さすがにどこの小隊や分隊

に所属して、誰が率いているのかはまだ分からなかった。


教官だからそこまで詳しい事を教えられているのか、それとも知り合いだから教えてもらっ

たから知ってるのか。


だが、それは置いとくとして、これが縁って事か?


自分の知り合いが率いている部隊に俺が行くって事が。


「それが、何か?」


だが、それがどうしたって言うんだ。


「もし、お前がそこに行って、自分が変わらないんだったら、少尉に話してみるといい」


何でわざわざ俺にそんな事を言うんだ。


それに、今の俺の目標、夢は一歩間違われれば、解放軍か何かに間違われてしまう。


疑いが解けても今後の昇進には絶対に関わってくる。


そんなリスクをしてまで言う必要はあるのか。


いいや、ないだろう。


意味も解らないし。


ココはとりあえず、適当に流しておこう。


「はあ」


俺は少し気の抜けた返事をした。


「引き留めて悪かったな。話は終わりだ、戻っていいぞ」


そう言い、コンゴウ教官は立ち上がり、俺に戻るように促し、立ち上がった。


俺もここにいる意味は特になかったので、俺も立ち上がり、部屋から出た。


それにしても何だったんだ、あの人?


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バトラーが部屋から出ていった。


俺は窓から外を見て、リングから電話した。


虎次郎に。


「はい、もしもしアカガネです」


「もしもし、俺だ。竜一だ」


「んっ、久しぶりだな」


かれこれもう5年程話してなかった。


俺は訓練所で教官をやっているため、時間を作って電話することはできなくはないが、虎次

郎は今でも戦地で戦っている奴だ。


会うことはおろか今回のように電話する暇を作るのはとても難しい。


今回は虎次郎が新たな駐屯地、日本に移動することになったため、その準備で時間ができた

ことを連絡を受けていた。


本当だったら会いたかったが、残念ながらこっちの大陸に来ることはなく、俺もいけないため、

電話しようという話になった。


俺達は昔の戦争の始まる前の大学生時代の話に花を咲かせた。


「なつかしいな、あの時は」


「ああ、サークルのメンバーで色々やんのは楽しかったよ」


俺達は同じサークルのメンバーであった。


昔の事を思い出しし


「麟太郎、、、」


俺は小さな悲しい声で昔の友人の名前をささやいた。


メンバーは5人だが、俺と虎次郎そして麟太郎は小さい頃からの幼馴染で、特に親しかった。


「まあ、もう俺達しかいないがな」


「そうだな、、、」


もうその楽しかったメンバーは俺と虎次郎しかいない。


だが、そんなもんだろう。


この時代なら。


「お前覚えてるか?麟太郎が言ったこと」


「何をだ?」


「花見の事だよ」


俺がそう言うと、虎次郎は少し間を空け、


「ああー、リンが『こんな世の中じゃ花見もできねえ』みたいな事を言ったあれか」


「そうだ。『だから、早く花見ができるように俺達で春をこさせようぜ』って言った奴だ」


「思い出した、思い出した。いや、もう春じゃないかってみんなで言った奴か」


どうやら、虎次郎が思い出したみたいだ。


「ああ、その後『今は春じゃない。終わったら春になるんだ』って言ったんだ」


「いやー懐かしいな」


俺は電話越しだが頷いた。


「それが、何かあるんだ?」


この話をいきなりして、虎次郎も何か思ったのだろう。


何かあるんだろうと。


「麟太郎が言った事と同じような事を言った訓練兵がいてな」


「珍しいなお前が訓練兵の事話すなんて。自分の初めての教え子を全員亡くして、俺と飲ん

だ時に、泣き崩れてその後、メールでも話すことなんてなかったのに」


その通りだ、初めての教え子達を亡くしてから俺は訓練兵の話を一切しなかった。


初めての教え子に俺はやさしく、丁寧に教え、仲もよくなった。


しかし、誰も帰ってこなかった。


それから、俺は訓練兵とは自分から積極的に関わろうとしなかった。


仲良くなってから、亡くすのは相当心が折れる。


だから、今はそんな対応をしなくなっているが、


「昔の様には接してはないが、大事には思ってるよ。今でも」


「そうか」


そう、大事に思っている。


「それで、そいつがどうしたんだ?」


「似てたんだよ麟太郎に。夢とか発言がな。でも、まだわからにんだ」


「何がだ?」


「似てるのは麟太郎じゃなく、俺達かもしれないんだ」


そう、あの時の麟太郎以外の俺達かもしれない。


「なるほど、始める前の夢見がちな俺達って事か」


「ああ」


そう、あの時は何も知らなかったんだ。


「もし、そいつが俺達じゃなく麟太郎に似てたら力を貸してやってくれ」


「何だそれ。約束はできないぞ。俺にだって色々あんだから」


「ああ、わかってる。じゃあな」


「えっ、おま」


そして、俺は電話を切った。


虎次郎、お前は多分力を貸すよ。


だって、お前はずっと後悔してんだから、麟太郎の事で。


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コンゴウ教官と話、俺はみんな所に戻った。


「なんの話してたんだ」


戻ると、ベベが不思議そうに聞いてきた。


「あー、よくわかんね」


「何だそれ」


と二人で笑った。


実際、何言ってるかはよくわかんなかったしな。


「おっ、モモちゃん」


とケンやビルも集まり、いつもの4人組となり、話を続けた。


「それにしても、今回の配属は変だよな」


べべが話を始めた。


「今までは順位が高い奴は大体中央に行くのに、今回はほとんど中央じゃなくて別のとこに

配属されてるよ」


事実、俺は前回よりも順位は落ちたが5位、十分高順位だ。


エヴァだって、2位だ。


配属は基本的に好成績の人は中央といった都市付近に配属されることが多かった。


が、今回は中央ではなくこの大陸とは別の場所に配属になっているものが多いい。


この戦争が、続いて15年。


異世界人側が大きく動いていてもおかしくない。


何かが起こり始めようとしてるのか。


どちらにしても、


「確かにな。中央云々は置いといて、日本は確かにへんだよな」


「そうだよな」


俺の発言に対して、ベベも同意している。


ビルも「確かに」と小さく囁いていた。


が。ケンはよくわかっていないようだ。


しかし、少しおかしな事態ではある。


確かに、戦争が始まって直ぐに日本も戦地となっていた。


が、しばらくして向こうが撤退した。


「何が変なんだ?」


ケンは少し考え答えが分からなく、聞いてきた。


「リターンが少ないんだよ」


「リターン?」


俺はケンに答えを続けた。


「資源だよ、資源。今の日本には異世界人側が欲する鉄鉱石といった資源がとりにくいんだ。

それに加えて、日本にあったそういった資源を移していって、わざわざ勝ってもそのリター

ンが少ないようにして、相手側を引かせたんだよ」


「へー」


「今でも、異世界人側はちょっかいをかけてはいるが、この大陸の海岸で行われているのと

同じで、こっちの戦力を分散するような物。わざわざ、この大陸の新人の多くを配属させる

なんておかしいんだよ」


それに、新人だけではなくコンゴウ教官の知り合いといった人達も配属され、再編集されて

いる。


他の場所でも同じような事が見られる。


だから、おかしいんだ。


「ねるほどな」


ケンは納得しているようだが、


「お前なー、習った事わすれてんじゃないか?」


「いやー、やったけど、そういう応用みたいのはちょっとな」


まあ、いいけどよ。


こういうところは治らなかったな。


「でもよ、誰も"ゴーストタウン"に配属されなくてよかったな」


「"ゴーストタウン"?」


ケンの口から聞いたことのない単語が聞こえた。


「おっ、知らない?」


ケンは少し驚いていた。


べべも頷き、知らないようだが、ビルは知っているみたいだ。


「いやいや、真面目さんだな」


ケンは少し嬉しそうに話を続けた。


「"ゴーストタウン"ってのはな、戦地になって人が住めない場所なのに夜な夜なうめき声な

んかが聞こえる呪われた地の事を言うんだぜ」


と、意気揚々に説明してきた。


様はオカルト話か。


ビルもおそらくケンから前に聞かされたのだろう。


「お前はそんな話を覚えるくらいなら、もう少し勉強しろと」


べべが軽くケンにチョップした。


俺達はそんな光景を笑い、オカルト話やそれぞれが行く場所の話を続た。


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<次の日>


昨日はBクラス、ガットやマッドなんかといった他のクラスとも話した。


そして、夜が明け出発の日となった。


俺は電車に乗って、日本へ向かう飛行機に乗った。


「いやー、飛行機って怖いね」


と、隣のファルコが言いながら俺の腕に捕まっている。


そう、ファルコも俺と同じ日本の駐屯地に配属となった。


他にも4人ほど、名前は知らないが同じ駐屯地に向かう人がいる。


この飛行機には大陸中の日本に配属されている人が、ざっと300人ほど乗っている。


訓練兵はその半分くらいかな。


「それにしても、高いな」


俺は窓から外を見た。


こんな雲より高い場所から景色を見るなんて初めてだ。


ファルコも初めての様だが、俺と葉違って、びくびくしている。


鳥の名前がついてるのにな。


「意外な弱点だな」


「別にいいだろ」


とファルコはしがみ続けた。


まあ、いいか。


そして、再び窓の外を見た。


今日俺は訓練兵から新兵である二等兵となった。




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異世界戦争 @gai13

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