最終章 1-1
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私の生まれ故郷はヌーナ大陸の遥か東、偏東風により航行を
大陸には
聖合国はその名のとおり、いと貴き聖なる御方……
私は聖合国の修道院で孤児として育った。そこはロザリー修道院といい、私の瞳が翡翠のように鮮やかな緑色であったことから、ジェイド=ロザリーと名付けられた。
でも、あまりその名は好きではない。ロザリーというのは聖合国ではありふれた女性名で、単体で呼ぶ場合には『
正直なところ、修道院にもあまり良い思い出はない。私は赤子のときに拾われたらしく、物心付いた頃には既にそこに居た訳だが、修道女の躾はとても厳しいもので、泣きながら毎日を過ごしていたものだ。
とはいえ、幼い私には他に選択肢などはなかった。奴隷として売り飛ばされ、児童性愛趣味の貴族や商人の慰みものとならなかっただけ、感謝しなければいけないのかも知れない。
それに、私には双子の姉がいた。私なんかよりもずっと可愛くて、頭が良くて何でも出来て、修道院長のお気に入り。なのに、いつも私を守ってくれる優しいお姉ちゃん。海のような
皆がお姉ちゃんのことを褒めていた。皆が私のことを
でも、その頃の私はお姉ちゃんと比べられる度に、むしろ誇らしくて心は晴れやかになっていた。そして、その後には必ずお姉ちゃんが私の頭を撫でてくれた。
私の大好きなお姉ちゃん。お姉ちゃんと一緒だったら、私はどんな辛いことにも耐えられる。お姉ちゃんさえ居てくれたら、もう他には何も要らないって、いつもそう思っていた。
そんな生活が大きく変わったのは、私たちが五歳になって暫く経ってからのことだ。ある日、白い祭服を着た年配の祭司が私たちの前に現れた。いつも見掛けるのは黒いものばかりだったから、その時は新鮮で不思議な感じがしたものだ。
一見すると地味なものが、実は最高位であることを示すというのは、ハナラカシア王国の
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