第三章 5-1
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「本当に、これを全ていただいても宜しいのですか?」
人喰いの魔物、
程なくしてミストリアが合流し、満身創痍の彼女たちに回復魔法を掛けてくれた。
そして、
途中、森を抜けて街道に出たところで、白茶と灰茶の
一方、狂躁熊に関しては、放置するにはあまりにも巨大であるため、ルンビニまで運び入れることとなった。
そのまま街道を半日ほど歩き、恒星が西の彼方へと沈む頃には、目的の場所へと辿り着くことが出来た。
ルンビニは小さな集落であり、発展具合も道中に立ち寄った村々と大差はないが、
ここは開祖シャーキヤの生誕地であり、意図的に当時の生活様式を継承しているそうだ。毎年多くの、特に
しかし、それならば何故、ラーマたちは村を追い出されるというのだろう。彼女は腑に落ちなさを感じながらも、村長という人物に狂躁熊を丸ごと献上した。
少し気前が良すぎたが、どうせ自分たちでは処理できないし、獲物を狩れなかった二人の代わりでもある。また、教都で何らかの異変が起きていることから、その情報を得るために心証を良くしたいという思惑もあった。
その晩は解体された熊肉を囲み、村を挙げての祝宴となった。狂躁熊は狩猟や採集の脅威として周辺の村々の悩みの種であったことから、今回は図らずも
よもや自身が
「狂躁熊の
村長は切り取った
彼女が狐に
今から遡ること一月ほど前、教都クシナガラに天人地姫が
しかし、教国の重鎮であるダイバ老師が
教国全土から
ここルンビニも四大聖地の一つであることから、
それ自体は喜ばしいことなのだが、彼女からすれば不愉快極まりない話であった。何せその教都にいる天人地姫とやらは全くの偽者だからである。
しかし、それをこの場で声高に叫んだところで誰も信じないどころか、不敬者として袋叩きに遭いかねない。やはり、この場は大人しくやり過ごす他にないだろう。
やがて、宴も
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