不幸な生い立ちの主人公が、世の中の理不尽と闘って生き抜いて、幸せになる話は色々読んできましたが、この物語には力を感じます。
何度も好きなパートは読み返します。自分のその時の心情で、同じ文章を読んでも、感じ方が変わるからです。
辛い時に読むと、頑張ろうって気持ちにさせられるし、
満ち足りている時に読むと、善行をしたくなり、物事に感謝したくなります。主人公に共感し、寄り添うような。
きっとこの主人公は、どんな最期を迎えても。
北○の拳のラオウ様のように、天に拳をつきあげ、
「我が生涯に…」と言い放つのでしょう。
でも、できたら両親他、馬鹿やろうな連中に不幸の呪いを。
これからの主人公の生き様に期待。そして幸せを祈ります!
ある程度、剣術や魔法が発達している世界。
酷い目にあった前世や幼少期を、地道な努力によって取り戻していくようなコツコツとしたストーリー。
流行のなろう風作品名からはうかがい知ることができない、しっかりとしたストーリーが作り上げられている超骨太な作品です。お話ひとつひとつの描写がとても丁寧で、必然的に展開はゆっくり。新たに登場するキャラクターとのエピソードがとても丁寧なので、脇役一人であっても印象に残りやすく、この作品への没入感?に一役買っています。
この作者様は戦闘描写や魔法詠唱にかなりのこだわりをお持ちなようで、そのカッコ良さは特筆すべき点だと思います。紹介文にもあるとおり小説家になろうですでに公開しているようですが、大幅な加筆が行われており、全く別物の作品として仕上がっています。まるで上級職にクラスアップしているような感じなので、カクヨムでの更新が待ちきれずカンニング……になど行かない方がいいと思います。
いわゆる「かっこいいラノベ」を探している方に、特におすすめできる秀逸な作品です!
※ このレビューは軍学校卒業までの時点で書きました