キュウSAI ー救いようがないのにー

KKI菌糸

第1話 諸々の息

已经到了吗?もう着いたかな?

『嗯,不过单单一个视察任务有必要潜入学校吗?あ、しかしただの視察任務、学校に潜入する必要はあるか?

对面的人说有就有吧向こうはあるってさ、接待你的人会和你在学校见面ガイド役はあの学校でお前と接触する。』

知道了分かった也就是说现在就只能等着つまり今は待っていればいいんだろう。』

『Bingo,记得别忘了此行的任务还有记得定时联络それに任務を忘れるなよ、定時連絡もだ。』

我当然知道そんなの当たり前だ、只需要确认这里有没有增援的必要就行了吧要するに増援の必要はあるか否か確かめることだろう??』

完全正确その通り办完该办的事你就可以去忙你自己的了任務完成したら自分のことをやっていいから那今天的联络就到此为止了じゃ、今日の連絡はこれでいいっでことで、如果有什么事记得联络何があったらまだ連絡してくれ。』

「はー」

 相手のアイコンはグレイになってる、諸息しょきは長いため息をついた、なぜか林弦と話をするとなんか嫌な感じがする、まるで見抜かれたように、たとえ携帯の向こうにいるとしてもその感覚は消えない。

 五日前、現世連盟げんせれんめい極東支部きょくとうしぶつまり陰陽連おんみょうれんから、遠東支部えんとうしぶである六和盟ろくわめい/りょほうめんへの増援要請を出た、しかし六和盟もそう楽観的な状況ではない、だからその要請を受ける必要はあるかどうかを見極めるため、諸息は使者としてここにいる。

「へえ、中国語ってぜんぶ漢字なんだ、なんが大変よね」

 急に後ろから話しかけてきた声は諸息にちょど驚かれた、頭を後ろに向くと、ピンク色の髪を持つ少女が後ろの座席で自分の携帯の画面を見てるまま微笑んでる。

「勝手に見ないでほしい。」

 諸息は気づいたすぐに画面を切った、後ろに誰がいることすら気づいてない何で、どうやら自分はこの平和な空気のせいで油断したらしい。

「あ、ごめんね、もしかして見じゃダメなやつがな?でも内容は全然読めないから心配しないで、でも本当に中国人なんだね、自己紹介の時びっくりしたよ、あ、ごめん、まだ自己紹介してないよね、私は結媛、幻野げんの結媛ゆめ、よろしくね、えと.....」

 自分を置きっぱなしにして、温かいかい笑顔にしてずっとペラペラ喋っていた彼女がこっちに伸ばした手を見て諸息は少し笑った。

「諸息だ、よろしく。」

 二人の手が握った瞬間、諸息は何か懐かしい感じがした、自分は昔も、この温かさと出会うことはあったなと気付く。

「諸息か.....それってどう書くの?」

「『諸々の息』の漢字で」

「ううん、変な名前だね」

 結媛という名の少女は再び笑った、そのあまりにも楽しそうな笑顔に諸息は少し羨ましく感じた、あれ以来もう持ったことがない感情が目の前の少女はこうも普通に表せる、羨ましいどころか少し嫉妬すら感じる。

「そう言えば、どうして午後最後の授業で新入生の紹介をするの?ふつう朝じゃん」

「本来なら明日入学の予定だった、今日はただの見物、でも途中に担任先生と会って、最後は教室に自己紹介するとなたんだ」

「なるほど、村崎先生ならたしかにやりそうだね」

 だがその話の半分は噓だ、諸息が一日早くこの学校に入ってきたのはガイド役と会うためだ、だがそんなこと、当然彼女と話せない。

 そして一つ引っかかる事がある、それは一日待っていたのにそのガイド役はまだこながったてことだ、原因については理由が多すぎて推測できない、ただ向こうの人が日程を間違ってるだけかもしれないし、組織の中の権力争いとかかわるかもしれない、だがどちにせよ一日を無駄にしたのは良いことじゃない。

「なんだが先から表情が硬いな、あ、もしかして君は言葉に出すより心の中に考えるほうを選ぶタイプ?」

「そう見えるのか?」

「そうよ、悪い癖と思う、近づけないと勘違いされるかもしれないから」

 そう、結媛はなんとなく分かる、目の前のこの青年は別に他人を拒んているわけじゃない、ただ他人との距離を維持しているだけだってこと、でなければ彼女は話しかけることはなかった。

「それならそれで、何かの恵みかもしれん」

「え?」

「結媛、何をしているんだよ」

 結媛が詳しく聞いてみたかった時、横から声がかけてきて会話を中断した、頭を向くとそこに二人の少女が立っている、中の一人は結媛と同じピンク色の髪を持ってる、顔もほとんど同じ、一番の違いは結媛のツインテールと違ってピンクのショットカット、それと他人を拒んているオーラとこわい表情。

 もう一人はほかの二人と違って綺麗な黒色のロングヘア、そして凛々しい姿、それにその立ち、諸息に見ればこの人きっと何がの武道を身に持ってる、ほぼ無駄を消した立ち形をしている。

「お姉ちゃん、咲夜姉ちゃん!」

 結媛が嬉しいそうに自分とそっくりの少女を抱きしめた。

「やめろって、結媛、恥ずかしいだろう、それより何やってるんだ?」

 結媛に〈お姉ちゃん〉よ呼ばれてる少女は結媛のこういう行動に対してすごく恥ずかしいと感じてるらしい、顔が真赤になってる。

「あ、そうだ、二人に私が先できた友たちを紹介します、今日から私たちのクラスに転校、いや留学と言うべきか、まあ、とにかく中国から来た、諸息くんだ」

「どうも」

 挨拶する時も視線を感じる、諸息が最も気になるのは結媛の姉からの視線、針のように刺さってくる、どうやら自分を信じられるかどうかを判断しているようだ。

「そして、こちは私のお姉ちゃん、ほらお姉ちゃん、あいさつあいさつ」

幻野鏡げんのかがみだ」

 冷たい挨拶だ、たとえ人間関係に下手な諸息でも、自分は嫌われていることくらい分かる

「そしてこちらは…」

天戸あまど咲夜さくやてす、よろしく」

 鏡と違って、咲夜という少女は結媛のように明るく性格ではないけど、そんなに諸息の否定してないらしい、少なくとも握手はしてくれる。

「こちらこそ」

 諸息の観察によるとこの咲夜という人は三人のセンターらしい、あの他人に十メートル外に押し出したいオーラを出している鏡という少女も、彼女を見る時だけ顔が少し柔らかくなる、だけど諸息の目線を引いているのはそれだけじゃない。

这是被盯上了啊これは、狙われているな

 初期の脳内に直接幼い女の子の声が響いている

ああ我看出来了分かってる

 諸息が気にしているのはこの咲夜という人は狙われてるってこと。

「なんだよお前、咲夜姉にじっと見て、ぼっこされたいのか?」

 結局、諸息の目線に注意したのは本人ではなく最もややこしくなりそうな鏡だ、少しも敵意を隠さない目線で見返してる。

「ちょっと、お姉ちゃん」

「結媛、私はこいつから嫌な感じをする、あまり近寄らないほうがいいよ。」

 こういう状況は諸息の予想外、他人に好まれるタイプではないことは諸息自身もよく知っている、他人に嫌われることも何回やったことはある、でも初めて会えた相手にそこまで嫌われるのは初めてだ、理由になれるものは何もないはずだが。

「鏡、初めての人に失礼でしょう」

「ごめん、咲夜姉」

「私ではなくで彼に言って」

 諸息を見つめて何秒後、結局できない鏡はただ頭を横に向けだだけ、咲夜も仕方なく嘆くしかない。

「ごめんなさい、今日の彼女は少し機嫌悪いだけなので」

「いえ、気にするな、授業も終わったし、私はもう失礼する、まだ明日で」

 それ以上ここにいてもただ気まずくなるだけだと感じて、諸息はその場から去っていた。

『嫌われたな、かわいそうな諸息』

 頭の中からまった声が響いて、諸息に嫌味な口付けでからかってくる、いつもと同じのように。

『嫌がらせはもういい、それより付けたのか、マークを』

『おいおい、あたしは誰だっと思ってるの、そんなの楽勝よ、今はたとえ彼女が地球のも一端にいっても私は感じられるわ』

『ならいい、今はガイド役を待つ、でもどうやら今日はもう歓迎してくれなさそうだ』

『そう言えば、陰陽連から衣食住すべてそちら側で用意するって言うから、私たち何の準備もなくここへ来たんでしょう』

『そうだな』

『もし、今日は陰陽連と接触できなかったら、今夜、どこで泊まるのよ』

『.....』

『.....』

『なんどかなる』

『お前、何にも考えてないからそう言ったんでしょう』

__

 そして、夜が降りてきた、天の光が収まり、代わりに人間の光が放たれる、現代人類にとって、天幕が黒くなるしか夜と昼はそんなに変わりはない、遊んでいる人たちは構わなく遊んで、働ている人たちは構えられなく働く。

 今の時代はもう人間が森や平原の中にあらゆるけものに脅威されるあの時とは違う、みな誰もがそうと信じている、しかし本当は違った、今になっても人間はまだその危機が溢れるジャングルの中に逃げ出してない、目の前の化け物を見ながら天戸咲夜あまどさくやはそう思った。

 先までは咲夜にとって今日はまだ平然の一日だった、平然に登校し、平然に友たちと付き合い、平然に彼女たちと別れで道場へいき、最後にもきっと平然に家に帰るだったのはずだが、最後の部分は全て目の前のこの建物一階くらいの大きさを持つ化け物に壊された。

 こいつは何なのかは分からない、でもそれはきっとこの世に存在しないもの、いや、存在してはならないものなのは分かる。全身が真っ黒、あの人造光に少し照らされてる夜幕にも勝、筋肉と筋肉の間のラインはこの夜中にもはっきり見える、血色の両目は鳥肌が立たせるほどの憤怒を持って咲夜を睨んでる。

 『来る!』

 咲夜の直感がそう感じたほぼ同じ瞬間、あの巨大な化け物が山のような勢いで咲夜に突っ込んできた。馬鹿でかい化け物なのに動きが鋭い、真っ黒の爪があっという間に目の前に突っ込んだ。

 咲夜は長年の経験に頼って必死で右によけギリギリに一つ目の攻撃から避けたが、次に来る尻尾のむち打ちはどうしてもよけられない、仕方なく、咲夜は右手に持ってる竹刀でその一撃を防ぐしかない、確かに直撃は避けた、しかし咲夜も強い衝撃で5メートルほど飛ばされた、竹刀の攻撃を防ぎ側の半分も砕けてる、その中に反射される冷たい光が見える。

 この竹刀は咲夜が初めで剣を学ぶ時に母さんからもっらたもの、中にはずっと本物の小太刀が隠している、もしかして母さんはこんな時を予想していたかもしれない。    

 本当にそうなら自分は母さんの気持ちを無駄にするわけにはいかない、ここはまだ自分の死に場所ではないとゆっくりこっちに向かってくる化け物を見ていながら咲夜は思う。

 右手はもう痛みで使えない、左手で竹刀から引っ張り出した小太刀を持って咲夜は怪物に堂々と立ち向かう。

.....

 時間は咲夜が化け物と出会う少し前に戻る。

 諸息は咲夜の近くにいる町に歩いてる。

「こっちもないか」

『もう繫栄な中心区に離れているから、仕方ないわよ』

 結局案内人と会ていなかった諸息は咲夜の後に付けていながら今夜泊まるためのホテルを探していった、だがここはこの都市にとって辺鄙とも言える場所、もうあの新都の外に立っている四つのでかい鳥居の一つに辿る。

『しかし、彼女は本当にこんなとこに住んでるの?電車に降りるから半時間歩いたぞ?』

「そろそろあの人の近くに行こう、もうすぐ「獣」の頻発時間になる、あの人に狙ってる奴も動くはずだ」

『そうね』

 突然、嫌な予感が諸息の神経に暴れる、すべての神経が腦に「避ける」というたった一つの信号を伝える、そして体が常人から見ると不思議な速度で元の場所から離れた、次の瞬間で弾丸が頭を貫く角度で元の場所に通した。

「耳聴六路、眼観八方」

 聡明呪そうめいじゅを詠んで商店街の屋上に諸息は必死に走っている、星月は昼のあの咲夜って言う女の子はもう獣の結界の中に入ってることを感じた、だが先からずっと仕掛けで来る狙撃が諸息を阻止している、一発一発、すべての弾丸は精確に急所を狙っている、うまく回避しないと一瞬で殺される。

『急いで諸息、あの人もう獣の攻撃を受けてるよ』

 星月の声が焦ってる、どうやら時間がないらしい、諸息も下策使うしかない。

「分かってる、時間がない、お前は先に行け」

『お前はどうするの?』

「路地裏に入る、あいつから逃げた後ですぐ向かう」

『分かったわ、気を付けて』

 話が終わったすぐ、諸息の右袖の中から大量の水銀のような物が垂れ流した、一秒もない間に2メートルほどの槍となって諸息に投擲の姿勢で捕まれて、突然強い閃光を放たし何処かにいる狙撃手の目線を晦ます、そして姿勢を整った諸息は「気」を調達すると同時に詠み始めた。

libashanshi

 「神力呪」の四つの文字が口から出た瞬間、周囲の空気は少し揺れてる、諸息は体から膨大の力の源を感じる、その力を右手に集中し槍を北東に投げ、槍がミサイルのように飛んていった次の瞬間、諸息はもう下にある路地裏に飛び降りた。

.....

 空中に飛んで数秒後、星月は咲夜を探した、でも同時に探したのは咲夜を嚙みつく寸前の獣。

 「くそ、もう間に合わないのか」

 星月はすぐ軌道をほぼ直角に変えて向かっているが今のスピードでは獣を彼女と同時に死なせるのは限界。しかしその時咲夜の身体から急に青白い光る玉形のバリヤーが放たれて咲夜を包まれた。そしてあの獣はバリヤーと衝突した瞬間、何かの強大な力によって飛ばされた、その石炭より黒い爪から「ツー」の声と共に白い煙が出す。

 この突発現象に対して咲夜も驚愕した、しかし胸に何が暖かいものがあると感じる。この突発現象を引き起こし、咲夜を危機から救い出したのは彼女の首にかかっているお守りもペンダントだ。今でもそのペンダントは青白な光を放たれてバリヤーを維持している。

 飛ばされた獣は咲夜の方に怒号を叫んだ、その血色な目から放す悪意は更に濃くなった。今のこいつにとって目の前のこの自分と比べてまるで雛みたいな獲物が、自分と同じ捕食者になったようだ、いや、もう少し自分が獲物になるどころだった、幸いこの人間にそんな力が持っていない、まだこっちのほうが有利、だが。

 その状況を破ったのは、流星の如く普通の人間が反応すらできないスピードを持って空から咲夜と獣の間に突っ込んできた銀色の槍だ。

 「これは驚いだね、君は一体何者なの?あ、これ返してもらうわよ」

 星月がそう言うと、咲夜の襟の下から一滴の水銀みたいな液体が飛び出して、槍に溶けた。そして、槍も溶けてまるでスライムのような状態になった、でもすぐ溶けた水銀みたいな物は再び姿を組立て、最後に何と十代前半ぐらいの女の子の姿になった。

 「これはいったい....」

 もう今夜の一連の不思議なことに頭を混乱させた咲夜はもう目の前の変化についていけなく、呆然と目の前に起きていることをただ見るだけで驚くことすらできない。

 「まあ、安心して、この私が来る以上、君はもう安全だわ、でも私だけじゃ完全に圧制するのはできないかもしれないから、暫くそこから出ないほうがいいよ」

 星月はそう言った後、昨夜の居場所を背後にし、後ろに回って獣に立ち向かう。

 「私も戦います」

 我に返った咲夜は左前腕部とあばらの劇痛を堪えて再び落ちた刀を拾って、立ち上げた、冷静な話しぶりは彼女が先の過激な感情から身を抜き出した証拠。

 「無理しないで、私一人じゃあれを食い止めるのは精いっぱいだ、あんたを庇う余裕なんかないわよ」

 星月は喋るの間ずっと獣を見つめていった、自分一人の力ではこの体の全力をだせない。今は突発したことで警戒していったが、もしあれが急に突っ込んて来たら、そばにいる人間を守ながら戦わなければならない星月は完全に不利となる。

 「でも、貴女も勝てる自信がないと言いましたでしょう、ならこうするほうが私たちの勝ち目は大きくなると思います、だから私も....」

 「その必要はない」

 咲夜は自分の話を割り込んだ声に何か馴染みさを感じた。その時、路地裏から人影が飛び込んで前にいる少女の側に立つ、その後ろ姿は自然に放課後の時教室から出ていく誰かと重なった。

 「もしかして、諸息くん?」

 「星月の言うように、その光の中にいろ、すぐ終わる」

 その声を二度聞くと咲夜は確信できた、この人は確かに午後に出会った転校生、しかしその言いぶりはあの時よりすっこく冷たい。

 咲夜の答えを待たず、諸息は射出された弾丸のように獣に突進する、気が付けば先そこに立ていった少女はもう消えて、代りに諸息の手にいつの間にか銀色の剣が握られていた。

 月もないこの夜に、剣と爪の交わって放つ光も少し眩しく見える、でもその光は第一撃だけあった、その後の獣の攻撃は全部見抜かれたようで、すべての攻撃は避けられた。咲夜は少年の動きが風のようなものと感じる、滑らかで鋭くそして抜かりはない、あの化け物が攻撃しようとしたらどんな致命的な攻撃でもその攻撃は結局ただ彼のそばから掠っていくだけ、一方、彼が攻めようとするとその一撃一撃は全部相手の隙から入り込んでいく。戦いが始まるから、怪物の体に傷をつくばかりで、戦況は一方倒れだ。

 緩い、それはこの獣と交わってからの諸息の頭に一番浮かんだ印象だ、経験から判断するとこの獣は多分憎しみとか恨みとかから生み出したものだ、しかしそれにしてはこの獣の攻撃はあまりにも気迫がなさすぎる、獲物に向き合うときはどうなのかは知らないが、自分と戦ってからこいつの戦意は弱みつつある。本来なら、人間の感情が獣まで呼び出すほどのものならば、こんな軟弱な奴なんか有り得ないはずだ。きっとどこかで間違ってる、こいつを仕留めた後調べようと諸息は思った。

 「シュー」

 しかし、諸息がこの獣を始末しようとしたその時一発の弾丸が諸息を獣から離れられた、戦意喪失した獣はそのまま屋上に飛んで逃げようとする。

 「逃がさない」

 諸息が追いかけようとしても次に来る弾丸に足を封じられた、諸息がすべての弾丸を避けた後あの獣はもう姿が見えない、弾丸が飛来した元であるビルの方に見てもやはりそこはもう誰もいない。勝負はこんな形で預かれたのは悔しい諸息だが、もう打つ手がないから仕方なく納得した。

 「あれはいったい何なのですか、それに諸息くんあなたはいったい何者なのですか」

 戦いが終わったすぐ咲夜は近づいてきて真実に関して質問した、彼女にとって今夜の一連の事件は自分が熟知している常識にはるか超えている、ここに立つのは誰であろうと必ず同じことをするだろう。

 でも咲夜のこの行為は諸息にっとて少し意外だった。

 「そんな剣とペンダントの御守りを持っているのにお前は何も知らないのか?」

 霊鋼で鍛えられた小太刀と獣の存在を拒否できる守り、これらのものを持っているから、できり彼女は自分と同じ世界の人間と思ったが、まさかそんな人に真実に質問されるなんて諸息は思わなかった。

 「この剣も御守りも全部母さんから受け継いだものです、私も今日初めて母さんの用心を理解しました」

 「母さんから受け継いだもの」、「初めて母さんの用心を理解した」この二つのメッセージは更に諸息の興味を引いた。娘にこんなものを用意してあげるってことは、つまり母のほうはこっち側の人間、なのに娘は何も知らない、諸息は思わず世界の森羅万象を感嘆する、何ことも起こるものだなと。

 「まあ、それはともかく、まずはお前の傷を癒してあげよう、その代わりに君にしてもらいたい事がある」

 「いいですよ、あなたに命を助けてもらいましたから、私ができることなら何なりと」

 「君の母さんと合わせてほしい、そうすれば君のすべての真相を知れるはずだ」

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