こちら恋のキューピッド課（仮）

天使と人魚とお姫様と

　森の中。陽の光とともに湖畔へ優雅に降り立ちいつものセリフを口にする。

「はじめまして、僕は恋のキューピッド。今からあなたを運命の相手へ導いて差し上げます」

　笑顔を貼り付けたままの僕をキッと睨み見上げる2人の女性。互いにそれぞれの髪や腕に掴み掛かっている。どう見ても修羅場。そして声を揃えて絶叫。

『この女が私の好きな人を殺しました！』

　──ああ、今日の営業も長くなりそうだ。