第5話 スキル鑑定
「ああ、自分の力を確認してもらえれば、達成可能な依頼かどうか判断できるだろう」
「確かにそうですね」
「じゃあ、ついてきてくれ」
「はい」
こうして、俺は自分の能力を確認することになった。
受付の奥にある部屋に連れていかれた。
そこには水晶玉のようなものが置かれている。
「これが鑑定石だ」
「鑑定石……」
「これに手を置いて魔力を流すんだ。すると、今の自分がわかるようになる」
「へぇ……」
「やり方は簡単だからやってみろ」
「はい」
言われた通りにやって見ることにする。
右手をかざして、意識を集中させる。
イメージとしてはゲームなんかでよく出てくるアレ。
手のひらからビームが出る感じで……。
俺は目を閉じて、それを想像する。
すると、何か温かいものが流れ出すような感覚を覚えた。
その温かさは次第に強くなっていき、やがて全身を覆うように広がっていく。
そして……。
パァッ! そんな音を立てて光が溢れ出した。
目を開けると、目の前にあったはずの鑑定石が消えている。
その代わりに俺の前には光の塊が浮いていた。
それは徐々に人の形へと変わっていき、しばらく経つと一人の女性が姿を現した。
女性は光に包まれたまま宙に浮かんでいる。
その姿はとても幻想的だった。
しかし……
「何これ?」
思わず声が出てしまった。
そんな俺を見てミレアナさんは驚いているようだ。
「何だ!? 何が起こった? どうしてこんなところに人が?」
そんなことを言っている。
そんなミレアナさんのことは気にせず、俺は目の前の女性に声をかける。
「あのー、あなたは誰なんでしょう?」
女性は少し戸惑った様子を見せながらも答えてくれた。
「私は女神のアリスといいます」
「女神様?」
「はい、そうですよ」……ニコリ そう言って微笑む女性。
その笑顔に見惚れてしまう。
「ところでここはどこなんでしょうか? なぜ私がここに来ているのか、さっぱりわからないんですが……」
「ここは王都の冒険者ギルドです。そしてあなたのいるこの場所が、私のいる場所なんですよ」
「そうなんですか……」
「はい」
「それで……女神様が俺に何か用事でもあるんでしょうか?」
「いえ、特に用事はありませんよ」
「えっ?」
「ただ……あなたが私を呼んだようだったので来てみただけです」
異世界〜貴族のロリエルフは王都で俺と結婚したいらしい。イマイチ乗り気じゃないんですけど。先回りしてイベントをクリアしたら主人公が怒って攻撃して来た うんこ @yonechanish
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