第2話 ヤンデレ元カノが魔王に転生してた
「おわ!これが異世界かー!」
俺は冒険者の街に降り立った。
剣士や魔法使いが歩き、空にドラゴンが飛ぶ。
よおし!来たぜ、異世界!
まずは……ステータスオープン!
レベル1
HP 150
MP 120
攻撃 25
防御 12
俊敏 17
魔力 21
スキル1 全スキル解放コード
スキル2 補給支援(小)
HPとMPが三桁もあるじゃん。
これも女神の計らいだ。
でも、スキル2【補給支援(小)】はなんだ?
≪味方に自分のHPとMPを分け与える≫
ゴミスキルだ。単体では役に立たない。
元からあった俺の固有スキルだろう。
ま、気にしなくていいや。
そう言えば……あの女神様の話だと、とりあえず冒険者ギルドに入らないといけないらしい。
ギルドに入って仕事をすれば、金を稼げる。
俺は街の真ん中にある、冒険者ギルドの館へ向かった。
街で1番目立つでかい建物だから、すぐに見つかった。
「ギルドに登録したいんだが」
受付でエルフのお姉さんと話す。
金髪に長い耳で、しかも巨乳だ。
異世界へ来てよかった!
「ギルドに入会するには、審査を受けねばなりません」
「審査って、どんな?」
「ギルドマスターの前で、スキルを見せるのです」
俺のスキルは【全スキル解放コード】だ。
異世界に存在するすべてのスキルが使える。
レベル1の俺でも、上級魔法が高い放題だ。
MPには気をつけないといけないが。
「審査を受けるよ」
「わかりました。ギルドマスターを呼びましょう」
塩対応のエルフのお姉さんは、奥へ行った。
ふふふ。ギルドマスターの度肝を抜いてやるぜ。
「みーつけた!」
後ろから肩を叩かれた。
「誰だ?」
俺が振り向くと、
「あたしをもう忘れたの?美羽よ」
「マジかよ……お前も転生してたのか」
俺を刺したヤンデレ彼女、美羽が冒険者ギルドにいた。
ここにいるってことは、俺を刺した後、美羽も死んだのか。
「お前も冒険者になるのか?」
「私は魔王になったの」
「ま、魔王……」
「女神様に魔王にしてもらったの。前の世界で、男に浮気されて自殺した哀れな女の子だから、特別に魔王にしてもらえた」
魔王と言っても、前の世界の美羽のままだ。
ツノが生えたり、目が赤くなったり、そういう魔王ぽっい感じが全然ない。
「圭介は今からギルドに入会するんでしょ?この世界では、ギルドに入らないと生きていけない。ギルドに入るにはスキルが必要。つまり、スキルが使えなくなれば、死ぬってことね」
「そういうことになるな」
なんだか嫌な予感がする……
「圭介が働くなんて似合わないよ」
「え?」
禍々しい黒いオーラが、俺を包み込んだ。
「これはなんだ?」
「圭介のスキル、封印するね」
「やめろ!」
「チートスキル持ってんじゃん。これで無双しようとか思ってたんでしょ。そんなのダメ。野垂れ死んで」
「うわああああああああああ!」
≪スキル1が封印されました≫
「補給支援(小)みたいなゴミスキルじゃ、ギルドに入れないわね。じゃ、せいぜい長生きしてねー」
まぶしい光と一緒に、美羽(魔王)は消えた……
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【★あとがき】
モチベになりますので、
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ヒモ男転生~前世でヤンデレ吸引器と呼ばれたヒモの俺が、異世界で美少女に養われる。無自覚にメンタルケアして感謝されているのだが~ 水間ノボル@『序盤でボコられるクズ悪役貴 @saikyojoker
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