このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(236文字)
タイトルやあらすじにあるように「手」だけが見えます。かなり怖い状況です。しかし、この状況がなんとも切なかったり、愛おしくなってきます。そして、最後は……。「手」に対する印象が、どんどん変化していきます。そうした中で、彼女が何を望み、更には自分が何を望んでいたのかを掘り起こしていきます。過去に縛られることなく未来を見せてくれるラストも秀逸です。端正な文章が紡ぎ出す、奇怪であり、リアルでもある作品をお楽しみください。