僕たちは

あお

第1話 

僕はごく普通の高校生。と言っても、まだ高校生になったばかりだけど。

僕の家から高校までそれほど遠くはないので、毎朝自転車通学で登校する。

友達も最近できてきた。でも、1人で誰とも喋らず、ずっとじっと椅子に座って本を読んでいるちょっと背の高いやつがいる。そいつの名前は「飯塚 大輔」。

僕はその大輔と仲良くなりたいと思う。だってアイツ、いつも寂しそうな顔してるんだ。まあそれもあるんだけど、1番の理由が、僕も本が大好きで、彼が読んでいる本は、僕も読んだことのある本ばかりで、本好き仲間として仲良くなりたいな〜と思うからだ。

「そろそろいくか」

バッグを持ち、玄関を飛び出す。

「行ってきます」

そう言い、自転車を漕ぎ始める。

まだ春なのに暑い。自転車が徐々にスピードを増し、風を切る。

「よ」

後ろから声が聞こえた。 前田篤史。僕は突然話しかけられたので、危うくハンドルを滑らせて転ぶとこだった。ただでさえスピードがててると言うのに。

「おはよ」

「高校まで競争な!」

待て待て唐突すぎるだろ!

「待てよ篤史!」

篤史がどんどん僕を引き離す。

僕も負けじと立ち漕ぎで追い上げる。

結局先にスタートした篤史に先を越され、なぜか僕に荷物を持たせた。

「理不尽だろおおおお」

先にスタートして荷物持ちは理不尽だろ。

対して運動もしない僕に、今日は図工の材料などでただでさえ重いのに、2個分も持たされ、筋肉痛になった僕を、篤史は知らない。

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僕たちは あお @Aokuzira430123

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