おやくそくじょうこうを かくにんした!
こんにちは。賢き者に嵌められ、勇気ある者の行動に
そんなどこに出しても恥ずかしくない魔王系ムーブをかましてしまった女子、即ち余です。
でも残念でしたね、人類。余、今はお子さま四人の保護者でもあるので無事です。
「はい、よいこのみんなはこっちを見て下さい」
そんな訳で魔王系ムーブだけでなくついでに保護者系ムーブも一つ。おひるごはんを食べ終わった後の全員揃っているタイミングを見計らって、ぽん、と手を叩いて注目を集める。
「……とうくん? とうくーん、ちゃんとこっち見て下さいな? 盗賊って言う字面が完全にアウトだけど、君は良い子だから大丈夫ですよ?」
「……魔王様、盗賊様は体内時計をずらされておりますので……単純に今は寝る時間です」
「あー……お昼ご飯、パスタだったしの」
炭水化物+お腹いっぱい=ねむい。
更にとうくんの場合、炭水化物+お腹いっぱい+お子さま+体内時計ずらしてる=ねむねむ。
そんな図式が成り立ってしまう。
まぁ、今回メインはゆーちゃん、一応けーちゃんって感じでガールズ二人が本命だし……
「とうくん釈放。イビルアイ、お昼寝に連れてっちゃって下さい」
「はい。では盗賊様? 眠いのは分かりますが、自分の触手を掴んで下さいませ」
お眠なとうくんは特に抵抗することなくイビルアイの触手に引かれて寝室に向かって行った。
「……まおー、けーも、ねむい」
そして四人の中で比較的良い子のとうくんだけが解放されたことから何かを感じる賢き者。
ねむいねむいと言いながら目を擦って小芝居などをしているが……余、知ってますからね? けーちゃん、本当に眠い場合は先ず喋らなくなってうつ伏せになること。
「……! ねむい!」
そしてそんな賢き者の様子から察して何かを主張する戦場に生きる者。……余、こんな元気な眠い宣言は初めてみましたよ、せんくん?
「……ゆーちゃんは眠くないのかの?」
「? はいっ!」
そして未だに危機に気付かない勇気ある者。
謎の触手生物を召喚したけーちゃんもですが、今回のメインお説教対象はハサミを使った君なのですが? ……そんな呑気で良いのか、勇気ある者よ。
「はいっ! これが終わったらお昼寝して良いので、今は余の話を聞いて下さい。……おやくそく条項の第三条と第五条は言えますか?」
「……あいさつは、ちゃんとする、と、あそんだ、おもちゃは、かたずける……」
「うん。それは第一条と第七条ですね、けーちゃん」
本当は覚えてる癖に小細工を労ずるでないわ、賢き者め。
「まほうをひとりでつかわない! は
「正解です、せんくん」
そして一瞬で自分は怒られる対象ではないと判断する戦士の直観力の鋭さよ。
「……!」
そして今更“あ、やばい”と言う顔をするでない、勇気ある者よ。
「この二つを破った子が居ます。誰だと思いま――はい二人ともせんくんを指差さない」
その見事な連携、いつ練習してたの? 犯人は君達ガールズです。ボーイズはこういう系の違反はしません。
「あ! はいっ! まおー、はいっ! はいっ!」
「……どうしましたか、けーちゃん」
「あのとき、まおー、いた、よ! けー、ひとりじゃ、なかった!」
「あー……」
異議あり! と元気よく、けーちゃん。賢き者である彼女は逆転の一手として余の保護者としての責任を責めて来た。
確かにあの場には余が居た。けーちゃんは比較的放置してオッケーだと言う認識で放置していたのだが、世のお母さまがおっしゃるように油断をすると死に向かって歩き出すのが幼子だ。
なので余的にも目を離していたことを突かれると弱い。……仕方ない。
「判決。けーちゃん、執行猶予一週間」
「? しっこー、ゆうよ?」
「一週間良い子にしてればお仕置き無しってことです」
因みにお仕置きの内容は三日間おやつ抜きである。
「はいっ!」
「……いいえです」
ノーと首を横に。元気よく主張してもゆーちゃんは現行犯なので執行猶予は付きません。
「……」
「おれのおやつ、わけてやるから……」
「けーのも、わけてあげる!」
凹むゆーちゃんに『元気だせ!』とお子様二人。友情。仲間の絆。実に素敵です。
「「「……」」」
でも三人揃って余を、ちらっ、と見るのは感動ビジネスで無罪狙ってるからですよね?
余、騙されませんからね!
あとがき
もうストックが尽きたのですが?
あれ? おかしいな、投稿前はいっぱいある気がしたんだけどな……取り敢えずもう一方に暫く専念しますです。
もうちょっと右だったら魔王さま! ポチ吉 @pochi
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