エピローグその地獄絵図にもはや幸いはない
その別室に白原薫龍と日枷護子がやってきた。
日枷護子は暗獄寺終音に銃を向けていた。
「こんな物語、続けてもおぞましいだけだよ」
日枷護子はそういって涙を流し始めた。
「トランスジェンダーとかニューハーフとかあるけど、お前は元々、純粋な男だった、たった一回の普通の喧嘩の決闘で狂人扱いされてから、お前はそれについて悩み始めた、親父のようになりたい、そのまた親父のようになりたい、父方の祖父のようになりたい、でも、それをしたら、狂人扱いされている、アイデンティティクライシスが人知れずお前の中に起きていた、母親のお前に対する接し方は女の子として扱っているようにも見えた、自分の子供の時の追憶が滲み、そして、お前は顔はかわいくても、残虐でどこまでも、ただ、男らしかったんだ」
白原薫龍は言葉を挟む事が出来なかった。
「………………」
カトプレパスという魔物は邪視の化身であり、眼球の化け物であった。
「
暗獄寺終音が支配する魔物はおおめだまのようでいて、かなり違っていた。
それはロシアにいるような凍てつく闘気をとことんまで放っていた。
「………あの男に憧れた、その全て、人生の全て、そして、逆恨みをしたな」
白原薫龍がその意図を汲めるかもしれないと思ったが、もはや懺悔すら不必要だ。
日枷護子は清瀬光己に銃を向けて、弾丸を放とうとした。
「次、生まれるなら、お前達のような綺麗な百合になれるかな?」
その言葉に頷きながら、発砲した、その異界はいとも簡単に崩壊を始めた。
退魔銃女ガンマン、罷り通る! 飛瀬川吉三郎 @hisekawa
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