第15話 日常
毎度のことですが、おそくなりすみません。フォロワーの皆さんには申し訳ないですの一言しかありません。
深夜テンションで書いたので、ちょっといつもよりおかしいかもしれません。
(クラスメイトからは、"おまえは、変!"とよくいわれますがw)
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放課後、俺の仮?の恋人である春川の動機不明(聞いたあとでも今もよく分からない)のストーカー行為のせいで昼休みのうちにできなかった羽崎さんの手伝いを俺と春川はしていた。
手伝いの内容は、新しく学校に入荷された本を運ぶというものだ。しかし、うちの校舎は5階建て。図書室は4階にあり、新しく入荷された本は1回のエレベーター近くに置いてある。担当の教師がやればいいと思ったのだが、産休でしばらく居ないようだ。
箱は全部で4箱あり、1箱でもかなり中身が入っていた。かなりの量入れ替えするようだ。まあ、2人でやるよりも3人でやった方がいいと思ったのだが……
「……んしょ。…ぁ、ヤバい。思ったより重い……落ちそう、落ちる!」
「……ワタシだけじゃ、支えきれない。頑張って」
「アンタも頑張って!!」
「お、おい!危ない!!」
ガシッ
女子二人でも本がみっしりと詰まった箱は一箱で十分重かったようだ。両端から2人で持っていたため、俺は側面から上面と下面を両手で挟むようにして、2人から箱を何とか取り上げることが出来た。
しかし、俺がいくら女子二人の力を合わせたものよりも力が強くても、上面と下面を挟むような持ち方はやはり、いつもより重く感じる。
てか、持ちづらい。
俺は片足を上げ、足の付け根から膝までを箱を置く台として使い、数秒かかりながら、何とか両手で箱の側面の下の方の角を持ち上げた。
「「……役立たずでごめん(なさい)」」
春川と羽崎さんの声が重なった。
「…別にいいが、思ったより女子って力弱いんだな」
「男子よりは弱いのは当たり前でしょ!てか、もう少し気の利いたこと言えないの!」
春川は昼休みの時から、怒ってばかりだな。そんなに俺の言葉って人の神経逆撫でするか?
「パッとは思い浮かばなかった」
事実だ。あまり人と話したこと無かったからな。
「…腕立てしようかな」
腕立てか。
俺も中学の時まではしてた時もあったな。
「別に無理しなくていいんだが」
「ぅうん、私は女子の中でも弱い方だから……少しした方いいかなって思ってた…」
「俺や他の男子に手伝い頼めば、別にそんな事する必要も無いが、まあ…好きにするといい」
「ぅん」
ジーーーーーーー
「なんだよ」
気がつくと、俺と羽崎さんの会話の様子をどこか不思議そうに見つめている春川がいた。
「拓人ってやっぱり、遥輝くんとか羽崎さんとかと話す時っていつもより口数多いよね?てか、二人は知り合いだったの?」
何を考えていたかと思えば、そんなことか。まあ、当然の質問の域だな。しかし、口数はそこまで気にしてなかった。
「口数の多い少ないは自覚は無いが、羽崎さんとは、中三の時にお互いの役職関係で少し面識があったからな。」
「…そう」
「ふーん。羽崎さんって何やってたの?」
「本が……好きだったから………図書委員……中二の途中からは副委員長…やってた……」
「へ〜、すごいね!私、小学五年生の時になら図書委員やったことあるよ!でも、パソコンで処理するタイプだったから、機械音痴の私には無理だったから、それからはしてないな〜。スマホなら良かったんだけど」
スマホなどの端末の扱いにばかり慣れている現代っ子の典型的な返答だな。
「私も……機械は苦手…だけど、周り……に助け……てもらった…」
「なんかわかるかも!羽崎さんってなんか、小動物みたいで可愛いもん!」
俺も口には出さないが、羽崎さんには若干そんな雰囲気を醸し出している節があるからな。春川の意見に同意だな。
途中から俺は、羽崎さんと春川の弾んだ会話を眺めていた。
「………ゃあさ、じゃあさ!拓人も図書委員やってたのっ?なんか、拓人は雰囲気的に委員長やってた気がする!」
雰囲気的にってなんだよ。そんなもの体から発してる覚えはないぞ。
「桜庭…くんは……図書委員会には、…入ってなかった……」
「あ、そうなの?じゃあどこ?でも、ほかの委員会なら、あまり接点無さそうだし……図書委員会じゃなくて、図書委員会と接点がある生徒の組織って限られてこない?」
「桜庭……くんは……生徒かーー」
あいつ喋りすぎだな。そろそろ羽崎さんも困るんじゃないか?
そう思った俺は
「そろそろ帰るぞ。羽崎さんも、そろそろ下校時間だぞ」
「……」
「あ、そうなの?羽崎さんと話せて楽しかった〜。またおしゃべりしに来ていい?」
「……ん。いい。私からもお願い……します」
「ん〜〜!羽崎さんは可愛いなーもう!!」
そう言って春川は羽崎におもむろに抱きついた。二人の身長には、人の頭一つ分弱の差があるため、羽崎さんはすっぽりと春川の両腕の中に、正面から収まってしまった。
「ん、……んんん"!」
「お、おい。息ができてないみたいだぞ。」
「はっ!体が無意識に動いてしまった。羽崎さんの小動物っぽさには敵わないな〜」
さっきからこいつ、テンションおかしくないか?ちょっと引くぞ。
「……同学年の女子の大きい胸に挟まれて窒息死するところだった……春川さんの"ソレ"、もはや凶器…」
なんか、いつもよりスラスラ話してるし、少し嫉妬のようなものが感じられる。"凶器"ならぬ"狂気"?
「なっ!その、……大きいっ……とか男子の前……で言っちゃダメ!」
「……ごめん。恋人の前で…」
「……知ってたんだ〜。まあ、昼休みのアレ見てるし、当然か〜」
「……」
「「……」」
なんか……空気が重くなった気が、する。
「じゃ、じゃーね!」
「バイバイ……」
羽崎さんと、春川がお互いに手を振りながら別れの挨拶をしていく。俺も春川に習って手を振る。すると。羽崎さんは俺にも手を振り返してくれた。
「じゃあ、帰ろっか!」
「……あぁ」
思わずため息が出た。自分から始めたことだが、この奇妙な関係はいつまで続くんだろうか…空は夕暮れに伴い、陽も西に沈んでいっている。空には、雲がほとんどない。何も無い綺麗な夕暮れが、その関係の行先をほんの少し嘲笑っている気が、どことなく、した。
一先ず、これで今日は終わりだ。明日も、変わらず平凡な世界がそれぞれを待ち受けているんだろう。
たまに思う。それぞれがそれぞれの立場で見ている世界を他の奴らが後に追体験したら、どんな感傷を覚えるのか。
大したことでは無いが、そう思うと、いつもしばらく頭から離れない。
今から帰れば、ちょうど美久の買い物の時間だな。
俺は、仮初の恋人と偽の恋人関係を誰に見せるわけでもなく、人通りの少ない、いつもの路を歩きながら演じていた。
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女子に告白されたが、罰ゲームだと分かっている俺は絶対に騙されない どんな名前にしようかな @hiro5015
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