056 ◉始まる前の一つの終わり。【before trading】設定画面《キャッチコピー》関心を惹くフレーズを...(⚠︎意味不明点過多。読み飛ばしても今は問題ありません。)

 ◯◯ ◯◯個体codeを入力して下さい 30歳。


浮気&離婚で心身ズタボロなサレ◯だ。


 間男はC級ダンジョン探索者で、私が働いている間に◯の攻略にも励んだらしい。くだらん。


「子供が出来たの...」

「アナタの子じゃないわ」

「....離婚しましょう」


 との事だ。

 

 1年の結婚生活もその内半年間は不貞で裏切られていて、残りの内3ヶ月は離婚協議。

 その面倒だった話し合いも漸く終わり、私は自宅マンションのベランダに出て煙草に火を点けた。


「ふぅ、やっと終わったな...」


 ドロ沼化まではしなかったが、結構ごたついた離婚となってしまった。

 相手はC級探索者で、ある程度の富と力があったからか、何かと言い訳がましい事を言ってきた。


「貴様が◯◯さん(元◯)を蔑ろにしていた!」

「俺は寂しさから彼女を救ったのだ!」

「彼女はお前には相応しく無い!」


 なんだ、ただの『小僧ガキか』とか思ってたら本当にガキだったではないか。18歳だと。

 もう、さ。その間男の親御さんが可哀想で可哀想で。被害者の私が見ても『阿呆な息子をもつと大変だな』なんて思ったものだ。


「此の度は誠に申し訳有りませんでした。慰謝料等は全て支払いに応じさせて頂きます」

「◯慈君。ウチの◯◯がこんな事をしでかしてしまって本当に申し訳無い。私達も全て応じさせてもらう。すまなかった」


 元◯のご両親には可愛がられていた方だと思う。親のいない私を実の息子の様に接していたようだ。ただまぁ、不貞とはいえ孫が出来た事もあるしな。例え相手が私じゃなくても。

 間男の親御さんは微妙な顔してるがな。だってまだ18歳だからな。態々アラサーの◯とか、不貞行為する女とか。


 慰謝料云々はちゃんと貰ったし、財産分与も比較的多くなった。このマンションも貰った様なものだし。

 だけど1つ問題があって、元◯の親父さんが私の働いている会社の重役で、今回の事で私の立ち位置がかなり微妙になり、直接では無いけど上司を通して『自主退職しろ』的な事を言われてしまったことかな。


 まぁ、もう辞めてやったがな、置き土産も渡して。


「仕事探しか....確かに面倒ではあるな」


 そう言うと、総◯は煙草を吸って、紫煙をゆっくり吐き出す。


「目に沁みるものだ。私は悪い事など、一切していないというのにな....................なんともリフジンダナァ...」



個体code no.82400891 ♂ age:30

job:会社員→◯◯◯◯◯new!

skill:◯◯◯◯new!

title:なし



 長い様で短かった結婚生活が、短かい様で長かった話し合いで終わりを告げ、先の見えないこれからが始ままままま.......


ーーーーーーーーーーーーピッ


あーー!?bugってんじゃーーーーーーん!!


何が起きた?


アあァァぁ〈アイツ〉ゥぅゥゥウう!!!


どこでどこでドコデどこでどこデェェエ!!


いらイラいらいら苛苛ァ!!すぅゥるゥゥーー


『............閉所恐怖症なんです』チガう...


『カンパ〜イ!....美味い!やっぱりお祝いには大黒様ビールだな!奮発したわ〜』ちガう!


『やっぱり◯◯姉ちゃんなんだね?』あァ!?


『鬼神の如き【隻影】と謳われた私の、【御堂院 時雨】の決意を舐めるなよ、【小僧外道】』アァァああぁァ嗚呼ぁ!!



ーーーーーーーーーーーー【斬】『ひとーつ

ァアァああああ....


ーーーーーーーー【斬】『ふたーつ

ぅゥウゥう...ウゥ....


ーーーー【斬】『みっつ

ひイいィイいいぃイぃィイー


【斬】『よっつ

がくガク諤諤ガク諤諤ががガガ...


いつーつ

...................


『言っただろう?「許した訳では無い」と。いやな、私も言い方が悪かったと少し反省しているのだよ』

....................................ドウいう意味



『赦す訳が無い』


『さぁ、念仏でも唱えろよ。それくらいなら待ってやるぞ?小賢しい老害.....それと、中で偉そうに全知全能ぶってる神様気取りのクソ小僧ガキ


一疋の鬼神オニ垂迹す。


『リフジンナキサマハ、ワタシが斬り刻ンでヤルわァッ!!!』




......

.........

............



『どうか、幸せに生きてくれ......君』





 世界はガラガラと音を立てながら崩れていく。


 黒刀を佩いた壮年の男は、少しだけ表情を崩して、嗤った。



『後は...頼みま...す......く...ん』







《あいわかったー、やすらかになー》




ーーー《〈Tradeとれーど〉ー!》




 その日、一つの世界線パラレルワールドが静かに終わりを告げた...。

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