あとがき
拙作に最後までお付き合いいただき誠にありがとうございます。
はい、あまみやです。
随分と寒い日が続いておりますが皆様風邪など引いておりませんでしょうか?
あまみやは絶賛微熱が続いております。
おかげで最終話投稿と同時に上げる予定だったこのあとがきも間に合わず悲しみにくれております。
遅刻してごめんなさい。体調管理、大事。
さて、あとがきということなんですが、何を書けばいいんでしょうね。
まあ、つらつらと振り返っていきたいと思います。
本作を書き始めたきっかけなんですが。
一度でいいから何かしら書いてみたいな、と思ってた時期にラブコメを乱読してまして。色んな作品に触れているうちに思ったんです。「ラブコメやギャルゲに初めて義妹って概念持ち込んだ奴天才やな」って。
作中でも触れましたがラブコメにおける「義妹」って概念すごく便利で都合がいいんですよね。
他人と家族のいい所どりをできる概念。
おまけに義兄妹になるのに当事者の感情や行動が必要ないので、好きに関係性を描けるって意味でも作家に優しい概念なんです。
義妹最高。義妹最強。
そんなことをつらつら考えていたらふと思ったんです。どうせ何か書くならこの「義妹」って概念で遊んでみよう、と。
そんなこんなで出てきたのが「義妹をヒロインにするんじゃなくてヒロインがどんどん義妹になっていく」という発想。タイトル「『僕の恋人』という概念が『義妹』に浸食されている」というフレーズが頭に浮かんだときにはもう書くしかないなと。
主人公がヒロインと関わるたびに義妹が増えていくって絵面を想像したら結構面白いんじゃないかな、と。
この時点で出来上がったのが、義妹ハーレムエロゲ世界の主人公が現代に転生してきてそうとは知らないウチに義妹ハーレムを再構築していく、という流れ。
あとはもう都合のいい設定をぶち込みまくってなるべくおバカな物語を作ってやろうと作り上げた初期設定。
もうこれでいいんじゃないかなという訳で勢いでいちゃったのでそのまま見切り発車で執筆・投稿を始めたのが本作です。
プロットも何も無しのぶっつけ本番一発勝負で書き続けたおかげで、書き進めるたびに作者の知らない設定が飛び出したり、キャラが急遽変更されたりとかなり苦労しました。プロットは絶対作ろう(戒め)
特に最序盤はひどかった。めぐる君がなぜか戸籍に強い関心を示したり、強烈な家族コンプレックスをもっていたり。彼のせいで脳死いちゃラブ地獄という書き始めた当初のプランが潰えてしまいました。おのれェ……。
でもまあ、削ったり書き足したりとうんうん頭を捻りながら書いていくのも面白かったので、これはこれでありかな、と。
はい。登場人物について。
主人公・四季めぐる
どうせならとことん都合のいい設定をぶち込んでごった煮にしてやろう、とほぼ天涯孤独の金持ち一人暮らし設定にしたところ、なぜか強烈な家族コンプレックスを患い、エロに関心を示さず、細かい所をねちねちと気にするようになってしまった、ある意味諸悪の根源。全然作者の意図通りに動いてくれない問題児。
でも最終的には作者好みの人物像が出来上がっててそれはそれで腹立つっていう。
人嫌いなのに寂しがり屋で、お人好しなのに素直じゃなくて、ひねくれ者で斜に構えてるのに真っ直ぐ生きようと苦しんでて、そんな矛盾を抱えながら不器用に生きる主人公、作者は大好きです。
ヒロイン・ユキナ
彼女に関しては上手くいったな、と。
「ラブコメの王道ヒロイン」という概念を再翻訳するような形で書いてみたんですが、どうでしょう。ちゃんとテンプレなヒロインとして書けてたんじゃないでしょうか。
彼女はとにかく書きやすかったですね。どんな状況でもリアクションに困らない優等生です。ちょこちょこヤンデレやらアタオカ要素をぶち込んでも上手く馴染んでくれるので書いてて本当に気が楽でした。
物語的にはめぐるの「救いの象徴」的な存在ですね。彼女を起点にめぐるが色んな感情に折り合いをつけて前を向いて行くような、そんな感じです。
ヒロイン・ひまり
めぐるショックの一番の被害者。
当初は「さすおに」な全肯定ヒロインにちょいお色気要素を足しただけの控えめで穏やかなヒロインになる予定だったのですが……。うん。どうしてこうなった。
思ったよりも抱えてる闇が深くなっているめぐる君と恋愛する様子が全く思い浮かばなかったんですよね、それでテコ入れしてみればただのド変態に……。
もっとねっとり書けば違う印象になったのかもしれませんがレーティングの関係でそれも難しい。結局あんな感じになりました。
でも後半はちょっとは巻き返せたんじゃないでしょうか。うん。
ヒロイン・しずく
無口系電波ヒロインって書くの難しいですね(涙)
本当にどう書いていいのか全く分からなかった。今もまだ分からない。
ちなみに彼女が某県出身なのは作者がソースかつ丼好きだからです。あれ美味しいですよね。見た目のインパクトやばいですけど。ひまりのソースかつ丼に対するリアクションは作者が初めて某有名店のわらじかつ丼の画像を見たときのリアクションを参考にしています。見た目のインパクトがね、やばいんですよ。
ヒロイン・さくら
めぐるにとってのもう一人の自分。あるいは過去の自分。
この設定が出来上がった段階で本番シーンの最後、裸で抱き合って泣きながらキスするシーンが浮かんできました。BGMは銀杏Boyzの「SEXTEEN」。とにかくこのシーンが書きたかった。
書いてて思ったのが、ギャルって概念は難しい。短いスパンでころころ仕様が変わるので万人が思い描くギャルっていうのが存在しないんですよね。イマドキの若くてオシャレな女の子なら大概ギャルで通るっていうか。なのでこう、言動のアウト・セーフのラインが分かりにくいというか、どこまでいけばキャラ崩壊になるのかがわからなくてそこがちょっと苦労しました。
登場人物についてはそんな感じですね。サブキャラは……まあいいでしょう。
一つだけ言えるのはシリアスからお下品までなんでもこなせる「ですわお嬢様」の書きやすさはチート級。みんなも困ったらですわお嬢様を登場させよう。
えー、「夜のお風呂屋さんごっこ」やら「全裸ヨガ」やらどう考えても官能小説にしかならんやろって没ネタの話とか、最終話のあとにエピローグ的なもう一話を書くか書かないかで三日悩んだ話とか、まだまだ書きたいことはありますが、だらだら書いてもアレなんでこの辺で締めます。書かなかったことはまた気が向いたら自己満エッセイでも作ってそこで垂れ流したいかな、と。
改めまして本作を最後までお読みいただきありがとうごさいます。
出来の悪い部分も含めて完結まで書けて満足です。
書いている間はひたすら楽しかったです。上手く書けない苦しみすらも楽しめました。気付けばキーボードを打ちながら口角が上がっている、そんな状態でした。
それもこれもひとえにお読みくださり応援してくださった皆様のお陰です。
素人が書き殴った拙い作品にも関わらず最後までお付き合いくださった皆様に心からの感謝をささげ、あとがきをしめたいと思います。
本当にありがとうございました。
また次の作品を投稿した際にもお付き合いいただけると幸いです。
それでは、また。
あまみや 要 拝
『僕の恋人』という概念が『義妹』に浸食されている あまみや 要 @kaname-ama
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