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歴史を題材にとっているだけに胸のすくような結末も鮮やかな解決も望みえないのですが、それでも忘れ去られ消されていった味覚と文化、時を同じくして潰えていった理想とに思いをはせる、この短編のもつ確かな骨組みに敬意を覚えます。
彼らの目指した理想への戦いは、カーカーアトルの味が砂糖の甘味に押し流された今も、形を変えて続いているのだなあ、とも。
近いうちに機会があれば、原典ともいうべき「インディアスの破壊に関する簡潔な報告」と、パースペクティブを近しいところに持つ名著「ジャガーになった男」を読み返したくなりました。
作者からの返信
ありがとうございます。本作は元々他サイトで昨年の初春頃に公開したものですが、公開当初は「本当にこれでいいのだろうか」と延々悩んで、公開後も数日コメント欄を見に行けなかった覚えがあります。書いている間は力不足ばかりを感じておりましたが、それでもなにかしら伝わるものがあったとすれば、とても幸いです。
実のところこの時代については元々詳しかったわけではないので、「ジャガーになった男」のタイトルは初めて知ったのですが、機会がありましたら読んでみたいと思います。
また、Twitterでの言及も大変感謝しております。ありがとうございました。
通りすがりの歴オタです。ずいぶん前にフォローさせていただいて、今日ようやく読みました。読み応えしかない大変素晴らしい作品でした!
16世紀ヨーロッパ側の事情については多少の勉強をしてきたのですが、新大陸側の状況についてはまだまだ不勉強でしたので、まるで現場にいるかのようにラス・カサスの苦悩と現実を追体験させていただいて、僥倖でした。
まず知識の積み重ねという下地がないと思いつきもできない歴史ものを、読みやすくわかりやすい文章で嚙み砕いてお書きになられている点でも尊敬です。
どうもありがとうございました。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。
実のところ、私もこの時期の歴史に詳しいわけではなく、本作を書くにあたっては都度調べ物をしながらの進行でした……なので公開後、詳しい方にコメントをいただいて、感謝しつつも冷汗をかいたりしております。
私自身、調べるうちに当時の状況に圧倒されてしまって「この話を自分が書いてしまって本当にいいんだろうか……」とずいぶん悩んだのですが、温かいお言葉をいただきまして安堵しております。
あらためまして、読了ありがとうございました!