小弦さんが殺害していたとは……。
なんとも悲しい結末です。
蒼さん、読んでいて母親(蒼さん)が必死と過ちを侵した子ども(小弦さん)を守ろうとしている姿に見えてきました。
そのために鉄雄をバラバラにして(考えただけで壮絶です)、焼身自殺を決意する彼女は、本当に小弦さんを愛していたんですね。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
もしかしたら小弦が殺害してしまったということが
必要以上に蒼を動揺させ、こんなオーバーなことを
させたのかもしれません。
……お気付きですか? さすがでございます。
おっしゃる通りなのです。今回の話、全編を通して蒼は
「母の愛・親の愛」を示しているんですよね。
翠が事件を起こした時、何も聞かずに助けてくれたり、
高千穂が将来に悩んでいる時、誰より寄り添ってくれたり、
今回だって小弦に「いい子にしてるんだよ」と言ったり。
私が明言せずずっと隠し込めていたテーマがそれでした。
そこを見抜かれるとは、やはり本物の母は強い!
感動しました!
そもそも私がこのエピソードを考える時最初に思ったのは、
「誉田哲也の『ソウルケイジ』がやりたい」でした。
あれは父親が出てくる『父性』がテーマのお話です。
なので姉である蒼を出しつつも、描きたかったのは
『母の愛』『無償の愛』『際限ない愛』『我が子のためなら
簡単に自らを犠牲にしてしまう愛』でした。結果、普通に
考えると、「こんなこと程度で焼身自殺までするか?
そんな偽装するもんか?」と見えてしまう内容になるほど。
その辺りをバッチリ見抜かれて、私はもう感激です。
「皆様のコメントはすごい。私は全然推理できない」と
おっしゃっていましたが、さくら様も大変深いところを
お見抜きになられましたね。
辺理可付加
どうして…こうなってしまった?
本当にふとした過ちが、取り返しのつかない事に。
約束とはいえ、蒼さんはそこまでする必要があったのか? 後の祭りですが、小弦ちゃんが自首しても正当防衛で罪は軽くなった筈なのに。
不器用な愛情が生んだ悲劇。灰被りの姫が履いたガラスの靴は、美しくも、少し欠けただけで自らを傷付ける凶器となってしまったのですね。
胸が痛いです。痛風ではありません(台無し)
作者からの返信
コメントありがとうございます。
どうしてでしょうね? 本当にここまでする必要はなかった
はずなんですよね。それだけ思考が追い詰められていたか、
それとももう、蒼も疲れ切ってしまっていたのか。
そしてなかとさん、鋭い。そうなんです。これって実は
正当防衛で軽いどころか無罪を勝ち取れる可能性も大いに
ある事件だったりするのです。いい話風に偽装しようと
していますが、今回の話はただただ虚しいだけなのです。
胸が痛いのはガラス片が突き刺さっているからでしょうか。
もしくは痛風でないなら大動脈剥離。
辺理可付加
ごきげんよう、本当に、本当に何の救いもなく、誰もが悲しみに包まれた結末。
蒼さん、昔、翠さんが事件を起こした時も何も聞かずに尻ぬぐいをして、そして今度は、何も言わずに自らの身体を炎に投じる、どこまでも真っ直ぐでそしてどこまでも不器用な生き方なんでしょう。
けれどそうまでしても小弦さんを、弟の願いと約束を、守らなければならないと、守るのが当然だと。
なんて、なんて哀しいシンデレラなんでしょうか。
高千穂さんもまた、自らに立てた誓いを守る。
守らなければならない。
そうすることが逆説的に、翠さんから託された約束を守ることにつながる、そう信じてのことだったのでしょうね。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
ご機嫌よう、お邪魔いたします。
本当、不器用が過ぎます。全員不器用過ぎて悲しい結末を
引き起こしてしまいました。もしかしたら蒼もいろいろ
あり過ぎて、疲れてしまったのかもしれませんね。
ボロボロで灰まみれ、そんなシンデレラなのでした。
高千穂も高千穂で不器用な守り方しかできないので、
このような形をとるしかないのでした。
辺理可付加
焼身自殺までして小弦を守ろうとした蒼さんの強さが悲しいですね……
小弦さんが鉄雄を殺したのは正当防衛の上偶然に近いので、情状酌量されたかもしれないのに。
少なくとも蒼さんが命を落とす必要はなかったでしょう……
想像のつかないトリックで完全に騙されました!
作者からの返信
コメントありがとうございます。
明らかに過剰な、視野狭窄な、しかし愛の深さだけは
溢れているのが、おっしゃる通り『悲しい』強さです。
他の読者様のコメントにもあるのですが、蒼は『姉』という
ポジションで登場していながら、内容は母性に近いです。
我が子のためなら正気を失ってしまえるような……。
そんな誰も思いもよらないようなトリックでした。
辺理可付加