ほんのちょっぴり未来が見える。
そんなことが出来たらいいなと思ったことありませんか? 私にはあります。
でももしその力は自分の意志で見ることは出来ず、突然見せられる未来は誰かとの別れを告げるものだったら……
「私と一緒に死んでくれますか」
インパクトのある一言で始まり、未來視が出来る『浩一』の運命に抗う物語は、人の強さ、逞しさ、美しさだけでなく弱さ、儚さ、醜さをも包み隠さず見せてくれ、それら全て含めて人間なんだと教えてくれました。
断片的な白昼夢の内容と、現実世界で起こる事件。じっくり考察したいのにそれを許してくれない、息つく間のないストーリー展開。それらを彩る個性的で楽しい登場人物が見せる裏表。読み始めたら続きが気になって仕方がありませんでした。
きっと本編を読み終えたとき、自分の心にある尖ったものをまるくしてみようかなと優しい気持ちになれるはずです。是非読んで頂き、まるいかたちになってもらいたいです!!
ご縁があり、この物語に出会いました。読み終えましたのでレビューさせていただきます。
本作は時々未来を垣間見てしまう主人公が、切り立った崖の上で見知らぬ少女に死を持ちかけられるところから始まります。やがて、クラスの仲間と伊豆旅行に行くイベントに。彼はそこで、夢の少女と出会いますが、事件が起きて……と進んでいきます。
未来が見えるという要素やミステリーな要素がありますが、何よりも本作の魅力は登場人物達の内面にあります。葛藤、すれ違い。そして感情を剥き出しにしたかのような、最後の対決。彼女がどうして「一緒に死んで欲しい」なんて言ったのか……この続きは、もちろん本編で。
揺れ動く想いの物語。他の皆様も是非読んでみてください。