第5話 生命(いのち)と生命
おぎゃあ。
おぎゃあ。
おぎゃあ。
分娩室に、元気な赤子の声が響いた。
分娩室の前で祈るように手を組んでいた男性は、響き渡る声に顔を上げた。
●
「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」
「ありがとうございます……!」
「お母さんもお元気ですよ!どうぞお顔を!」
そのまま、岡崎秀二は分娩室に招き入れられた。
妻の優奈と生まれたばかりの子を見て、目を潤ませる。
「優奈、よく頑張ったな、ありがとう。優太の声を聴いたらきっと深優、嬉しくて飛び起きるぞ」
秀二はそう言って、優奈に笑いかけた。
「そうね、きっときっと……大騒ぎね」
優奈は笑みを浮かべながらポロリ、と涙を
●
優奈達の元気な顔を見て分娩室を後にした秀二は、そのまま同じ病院内の、別の病棟の個室へと向かう。
その病棟のナースステーションの斜向かいのその部屋では、秀二と優奈の愛娘の深優が半年もの間、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます