第2話 お姉ちゃんになるんだから。

 まだ、夢を見ているみたい。


 誰も出てこないけど、ゆらゆらぽかぽか気持ちいいし、

 深優はお姉ちゃんだから、一人っきりでも泣かないよ。


 生まれてくる赤ちゃんは、弟かな。妹かな。

 弟なら、いっぱいほめて頭なでなでしてあげるの。

 それでね、いっつも深優お姉ちゃん待ってえ~ってついてくるの。


 妹なら、ドラマみたいにかわいいお洋服をきせるの。

 深優はお姉ちゃんだから、妹にいちばんお気に入りの服をきせてあげるんだ。


 それでね、あれ食べたい!っておねだりされちゃうの。

 そうしたら、深優のおこづかいで買ってあげるの。

 お年玉いっぱいためてるから、何でも言ってね?


 あ、また眠くなってきた…。

 ゆらゆらぽかぽかで気持ちいいね。

 これで朝になるのかも。


 お父さん、お仕事おつかれさま。

 お父さんに頭なでられるの、深優大好きなの。

 あとで起きたら、おでかけ前に、頭なでてほしいな。


 お母さん、今日はつらくない?

 つらかったら、私に言ってね?


 赤ちゃんがお腹にいるんだから、むりしちゃだめだよ?

 お母さんのかわりにうちのこと、何でもできるんだよ。

 それに、深優だってもうお姉ちゃんになるんだから。


 お父さん、お母さん、大好き。

 おやすみなさい。



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