【新】深優の日記。

マクスウェルの仔猫

第1話 夢の中

 


 うー、眠い。

 気をつけないと寝ちゃいそう。




 気がついたら、ふわふわでゆらゆらのところにいた。

 この前にみんなで行った温水プールみたい。


 夢なのかな。

 夢なのに眠いなんて、へんなの。


 だれか出てこないかな。


 まわりは、何にもみえない。

 眠くて目があかないよ……って時みたい。




 でも、こわくない。

 ゆらゆら~のふわふわ~で気持ちいいからかも。


 さっきからトックントックン聞こえるのは、深優の心臓の音なのかな。

 なんか、安心。


 あ、もしかして!

 おとぎ話の王子さまがほっぺにキスをしないと、ぱっちり起きなかったりして。


 わ、はずかしい!

 顔、洗いたいな。

 どっきどきだよ~!


 王子さま、カッコいいかな。

 早く、こないかな。

 私、岡崎深優おかざきみゆっていうんだよ。

 王子さまはきっと、名前も王子さまだよね。

 早く知りたいな。

 会いたいな。




 それでそれで、王子さまが「僕とけっこんしましょう」って言ってね。

 白いお馬に深優を乗せて、お父さんとお母さんのとこにつれていくの。


 お父さんとお母さんはびっくりするけど、「深優を幸せにしてね」ってよろこんでくれるの。

 それで、大きなお城で王子さまとけっこんをして、みんなで幸せにくらすんだ。


 


 あ、また眠くなってきた……。

 これで朝が来て、起きるのかな。


 深優はお姉ちゃんになるんだから。

 起きたら勉強をして。

 うちのお手伝いもして。

 そんけーされるようにならないとね。



 

 お父さん、お母さん、大好き。

 おやすみなさい。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る