8月(その1)

   

 八月といえば、夏の真っ盛りだ。

 今年は梅雨も短かったし、夏の一番暑い時期も例年ほど長くなかった気がする。その意味では、まだ一年目の――どの季節も「初めて」の――子犬にとって、過ごしやすい年のはず。

 それでも暑い時は暑かったわけで……。


 六月のところで「ベッドより涼しいとみえてプラスチック製のトイレトレーをベッド代わりにしたり」という話をしたが、夏になったらそれが悪化した。

 トイレトレーをベッドとして使うならば、そこでウンチやオシッコは出来ない。一応オシッコはトレー内の吸収シートに吸われるけれど、特にウンチは問題だ。

 最初のうちはトレーの隅でウンチをして、そこだけ避けて寝ていたようだが、とうとう本来のベッドの方にウンチをするようになった。


 こうなると、むしろベッドは邪魔だろう。ケージに入れておかない方がいい。

 とはいえ、ケージの地べたに直接ウンチやオシッコをされても、それはそれで掃除が大変。そこでトイレ用ケージをもうひとつ購入して、常時ふたつ入れておくことにした。

 当時の飼育ケージの様子を写した写真を、2022年8月15日の近況ノートで掲載している。


https://kakuyomu.jp/users/haru_karasugawa/news/16817139557827911004


 写真のように、ウンチもオシッコもしていない時は、ふたつ一緒にベッド代わりだ。子犬にしてみれば、ベッドが広くなった感覚だろうか。

 なお、写真の時はケージの中でもハーネスが付けっ放しだったので、それについて補足説明しておく。


 以前も書いたように、当たり前だが子犬は体を拘束されるのが嫌だったらしい。人間がハーネスや首輪などをつけようとすると、とにかく抵抗を示した。

 だから最初はハーネスも一人でつけるのが難しく、私と父の二人がかり。私たちが使っているハーネスはハーネス部分とリード部分が別売りなのだが、毎回苦労して子犬にハーネス部分を装着して、それからリード部分を繋げる、という手順にしていた。

 昼や夕方の散歩は構わないとしても、問題は朝の散歩だ。朝はまだ私が寝ている間に父が散歩へ連れ出すので、父が一人でハーネスをつけねばならない。

 これが大変ということで、一時期、ハーネス部分だけ子犬に付けっ放しで生活させていた。これならば散歩に行く際、ただハーネス部分とリード部分とを繋げるだけだ。


 まあハーネスというと大袈裟に聞こえるだろうけれど、要するに輪っかが二つ。首輪みたいなものと考えれば、付けっ放しでも大丈夫に思えたが……。

 玄関で一緒に遊んでいる時によく見ると、そのハーネス部分を子犬が外そうとする場合があった。そうすると胴回りは大丈夫だが、首周りの輪っかの方は少しずれて、口周りに移動。猿轡みたいになってしまうのだ。

 もしもケージの中でも同様の事態が起きて、一晩中「猿轡」状態になったら可哀想だ。そう思って「ハーネス部分だけ付けっ放し」は、本当に一時期だけでめるようにした。

 これも前にも書いたが、幸いなことに、その後ハーネス装着を嫌がらなくなった。子犬の成長として心情的に嬉しいだけでなく、とても助かっている。

   

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