第3話 就職活動2
「本日、面接担当をさせていただく…
「よろしくお願いいたします!私は、
「とんでもないです。それでは、おかけになってください」
「はい!失礼します」
俺は気合いに満ち溢れて、目の前のスーツでビシッと決まっている年齢不詳の女性に返事をする。
「それでは、早速です。永久さんの異能について伺います。この、
「はい!私のその異能は、目にしたあらゆる事象を自身で再現する事ができます!」
「…端的にありがとうございます。つまり、異能もコピーして使えると?」
「そうですね。私が認識して、ある程度構造理解をすれば可能です。格闘技、レジ打ち、炊事洗濯etc…目にした物を学習すると言いますか」
「左様ですね。で、あればそのコピーしたものをストックすることもできるのでしょうか」
「そうですね。これもある程度可能です。ただ、人間の脳ですから。覚えても使わない物は使えなくなります。短期記憶と長期記憶のようなものです。何度も繰り返して使っていれば染み付きますので、半永久的に使えると思います。私も他人の異能をコピーしたことは無いので、憶測になりますが」
俺は普段から仕事で使う知識と技能しか覚えてきてないからなぁ。
日常生活で人の異能を覚えたいと思うこともあんまり無かったし。
それよりも一人暮らしだからさ。
バイト忙しい、稼ぐぞくらいしか。
「詳しく教えていただきまして、ありがとうございます。では、本日の面接はこれにて終了です。何か質問事項はございますか?」
「えっ…では、御社の業務内容でやりがいでしたり、辛いことなど教えていただけますでしょうか」
「そうですね。やりがいでしたら、やはり市民の皆様を警察と自衛隊の方々と連携してお守りできることですね。いざという時のフットワークの軽さはガードの良いところかと。辛いことは、やはり心身共に文字通り『死ぬ』ことでしょう。犯罪者相手に実働として動くわけですからね」
「ありがとうございます。以上です」
「かしこまりました」
環さんは少し微笑むと、俺にウインクしてきた。
え、やだ可愛い。
「ふふ、形式ばっかりなのは疲れちゃうわね。もう楽にしていいですよ」
「えっと…それはどういう…?」
「いえ、もう永久さんは内定ですので。後は事務処理のみだなーと」
「??」
「わりと私の一存で決めてるの。内定者」
「それって良いんですか…?」
「んー、まぁいいんじゃない?」
何とテキトーな…
俺の就職先、決まりました。
ラーニングバトル モルン @morun58
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ラーニングバトルの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます