藁兵∞
情熱的に燃える赤色、光り輝く黄色、鮮やかな緑色、透明な光を放つ橙色、澄み切った青色、怪しげに輝く紫色。それは七色の光というべきだった。七色は無限を示す色合い、拓磨の力もまた無限のものとなった証明である。
「カァァァァァァァァァアァッ!」
大声を上げたカオスレッドにより、拓磨の命令を打ち消された。耳に入らなければ、力ある言葉であろうと意味はない。それは拓磨自身が総統を倒したことから、実感していることでもある。
その隙を突き、カオスレッドは拓磨への間合いを詰め、その腹に拳を叩き込む。
「げほっげほっげほっ」
むせ返る。とても声を出せるような状態ではなかった。
ならば、
カオスレッドは間合いの内側にいる。
全身を麻痺したカオスレッドに、レプリカブレードで一撃を放つ。だが、カオスレッドは硬直した状態のまま、気流を操り、距離を取った。拓磨の攻撃は空を切る。
強化アームを狙撃モードに切り替えた。そして、狙撃銃で
着地を狙ったその狙撃はピンポイントで命中する。カオスレッドは悪夢にうなされた。
これはチャンスだ。
「斧マニアも納得の一撃を喰らえ!」
カオスレッドの首筋を狙い、拓磨は斧を振り落とした。
だが、カオスレッドはその一撃を回避するように、拓磨の間合いの内側に入り込んだ。そして、掌底を当て、拓磨を吹き飛ばす。
眠っているはずだ。悪夢に苛まれているはずだ。だというのに、攻撃してくる。以前にも同じことがあった。
「くっ、お前も夢遊病か」
それなら、中距離で仕留めるまで。拓磨は強化アームを
そして、サイコパワーを解放し、カオスレッドに撃ち込んだ。だが、カオスレッドは跳び上がり、その攻撃を避ける。
「今、目が覚めたところだ」
カオスレッドのリングブレードがリング状に変化し、そのまま突撃してくる。人間の死角を突いた軌道であった。だが、拓磨の片眼は魚眼だ。その攻撃を見切った。
拓磨は強化アームを十手に変換し、リングブレードを受け止める。江戸っ子気質なジッテ師団長の力を使ったのだ。そして、梃子の原理を利用した力でリングブレードを奪い、放り投げる。
ステゴロになったカオスレッドは意にも介さずに、間合いを詰め、正拳を拓磨に向かって振るう。クリーンヒット。その一撃は拓磨に叩き込まれた。しかし、感触はない。
再び
「ハッハッハッハッハ、楽しいなあ、
カオスレッドは笑っていた。笑いながらも、拓磨を殴りつける。
「ああ、楽しい。カオスレッドよ、俺はこの時をずっと待っていたんだ」
拓磨もまた笑い、カオスレッドを殴り返す。
そんな攻防が無限の時間のように続いた。
カオスレッドの攻撃が拓磨を吹き飛ばす。気力で立ち上がった拓磨がカオスレッドに一撃を入れる。そんな攻防が飽きることなく繰り返された。
そして、決着の時が訪れる。
「お前の勝ちだ」
振り絞るように呟き、カオスレッドは倒れた。勝利者は拓磨だった。
そして、それは
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