総統の呼び声
今は何時になったのだろうか。
窓のない部屋に軟禁され、本を読むか筋トレするしかやることがない。時間を示すものはベッド備え付けの小さなデジタル時計があるのみで、時間の感覚が大分狂ってしまった。
今は真夜中。なんとなくそう思っていた。
ゴリ将軍はふと目を覚ますと、自分を呼ぶ声が聞こえるように感じる。しかし、何の声も聞こえない。それどころか、周囲に人の気配さえ感じなかった。
だが、立ち上がり、身支度を整える。そして、閉まっているはずの扉に手を掛けた。
ガチャリ
鍵は掛かっていなかった。扉が開き、薄暗い廊下を歩く。
自分は何のために、どこへ向かっているのだろうか。
ただ、呼び声に従うかのように歩いている。どこに向かっているかはすぐにわかった。総統の居室だ。何度も地球侵攻会議を行った場所でもある。
ほんの少し前の出来事だったはずだが、妙に懐かしさがあった。
総統の居室の扉を開く。ここも鍵が掛かっていない。不思議と当然のことのように思えた。
暗がりの中、総統の姿をカーテン越しに見上げる。すると、しゃがれた重々しい声が響いた。
「御子たちが裏切った。あの忌々しいカオスレンジャーどももだ。ゴリ将軍よ、戦力を招集せよ。皇帝居城を守るのだ」
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