ブラックカオスレンジャーロボ
「てやんでぃ、てやんでぃ! 苦しいが、てめぇを倒すまで、俺っちは止まらねぇぜっ!」
岡っ引き姿の巨大化ジッテ師団長が吠えていた。
手にした十手でカオスイレギュラーロボを打ち付ける。カオスイレギュラーロボはその攻撃を腕で防御していたが、ブラックがその主導権を奪った。
「形態を変化するぞ」
ロボの全容が黒く変貌する。そして、その手には黒い刀が握られていた。
「完成、これぞカオスイレギュラーロボ
黒い刀で巨大化ジッテを散々に打ち付ける。巨大化ジッテは十手で刀を受けるが、そのまま刀を振るうカオスイレギュラーロボ極によって逆に絡め取られ、明後日の方向に飛んでいった。
「とどめだ。柳生新陰流飛燕之太刀!」
飛燕之太刀は飛び立つ燕の動きを模倣した技。斬撃を飛ばし敵を斬り裂く必殺技だ。太刀を旋回させると、ジッテ師団長の首を狙う。
だが、その動きを止めるものがあった。カオスイレギュラーロボと似た姿でありながら、漆黒に光るメタリック。ブラックカオスレンジャーロボである。
時は
暗黒の獅子が現れ、暗黒の雄牛が現れる。カオスシャインが輝く戦闘機に乗り、カオスアビスが巨大化した。そして、拓磨が歯車のような機械を呼び、その機械にそれぞれの巨大戦力が合体していく。
そうして完成したのが、ブラックカオスレンジャーロボであった。
「こっちには巨大化ジッテもいる。覚悟するんだな」
拓磨の言葉とともに、ブラックカオスレンジャーロボの猛攻がカオスイレギュラーロボ極を襲う。ともに黒色のロボであり、どっちがどっちかわからないが、ともに苦戦していた。どうにか生き残った巨大化ジッテ師長だが、どちらに肩入れすればいいのかわからない。
互いに削り合い、互いに消耗した。そんな時、紫の戦士が現れる。
カオスバイオレンスはそのオーラを具現し、巨大ロボとする。
「完成、ボーリョクダイオー。いきなりで悪いけど、とどめを撃つね」
ボーリョクダイオーの胸部からエネルギー波が放たれた。巨大化ジッテはそのエネルギー波によって消し飛ぶ。
「貴様ら、凡事徹底に力を上げていたな。俺はそれが足りなかったてぇんかい!」
エネルギー波をまともに受けて、ジッテ師団長は爆散した。
しかし、それでエネルギー波は止まらない。ブラックカオスレンジャーロボ、カオスイレギュラーロボ極に向かって飛んでいった。
「何度も通用するものか。配下の者どもよ、やれ」
カオスレッドの檄が飛ぶ。それに反応して、四人の力が呼応した。闇色の刀に力が集約し、ボーリョクダイオーのエネルギー波に向けて振りかぶる。
「柳生新陰流奥義之太刀!」
奥義之太刀は後の先の技。敵の攻撃に反応して、それを打ち砕く。太刀が旋回し、エネルギー波を切り裂いた。
「俺たちも同じことをやる。行くぞ!」
拓磨の掛け声が響く。だが、その反応は芳しくなかった。
「こんなところで決死の戦いなんてするものじゃないのよ。私は抜けさせてもらうわ」
アビ教官ことカオスアビスは合体から外れ、テレポートでいずこかへと消えてしまう。
「あはっ、その通りです。こんなところで命なんて懸けられません。とっとと逃げるに限りますね」
カオスシャインは右腕に位置する戦闘機から脱出装置で射出された。そのまま、ジェット噴射で飛行し、去っていく。
右腕をなくし、左腕は機能しなくなった。
「はあ!? あいつら、何なんだ!?」
拓磨が絶望とともに叫び声を上げる。
「オ前ノコトハ命ヲ賭シテ守ロウ――」
カオスシャドーの機械音が響いた。右足から時空のうねりが出現し、ブラックカオスレンジャーロボを覆う。
「やれやれ、損な役回りだな。私もできるだけのことはしよう」
カオスキラーのため息が聞こえた。左足からは次元の壁が張られる。
「こうなりゃ
ロボの全身を炎が燃え上がる。その全身全霊でボーリョクダイオーのエネルギー波を受け止めた。
ゴゴゴゴゴゴッ
ブラックカオスレンジャーロボの各巨大メカに亀裂が入る。合体が解け、すべてのメカが地に落ちた。だが、どうにか、それでエネルギー波が収まる。
どうにか三人は無事だ。しかし、これ以上の戦闘続行は不可能だろう。
「なんてチームワークなんだ。先が思いやられる……」
拓磨たちはぼやきながらも、次元転移装置を作動させ、
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