とてもショートショート
佐々木
学校の殺人
先生は倒れた。頭部から血を噴きながら、土偶のポーズで伏してぴくりとも動かない。凶器のトンカチが床で血の海に浸っていた。
右手にじんわり残る殴打の感触が、殺人の実感を放っている。
「先生が悪いんです」と捨て台詞。
私は場を去った。悠然に、ゆったりした歩調で。そして、幕が降り、喝采が上がった。仲間は口々に、よくやった、プロみたいだ、と笑顔で私を褒め称えた。
私も笑った。文化祭は大成功だ。舞台袖の混雑を抜け出し、私は一人、クラスメイトを背に、秘めた高揚感を味わった。
彼らはまだ知らない。先生が二度と起き上がらないことを。
ほどなく、女子生徒の悲鳴があがった。
とてもショートショート 佐々木 @toika014
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