応援コメント

第25話 4-5.」への応援コメント

  • 互いの過去は話したところで十分には理解できないもの。それを「分かる」と言える奴は偽善者なのかもしれませんね。そんな感情を痛烈に刺激するエピソードであり筆使いでした。
    そしてっ! この世界の独特なお金の仕組みを思いついた作者さまに尊敬します☆

    作者からの返信

    ごきげんよう、愛宕さま。
    いつも丁寧にじっくりとお読み下さり、温かくお優しい応援やコメントを、本当にありがとうございます。

    仰る通り、互いにどれほど言葉を尽くして語り合ったとしても、遂にお互いの心に蠢く想いというものは、理解には至らないものなのだろうな、と思います。
    ただ大切なことは、相手がそんな経験をして、想像できる範囲での感情を抱いている、それを忘れないこと、理解しようと足掻くこと。
    アマンダはモノローグでも言っているように、別にお金が欲しかったわけではないのです。ただ、この先どう頑張ったって陽介の立つ「陽光溢れる明るい日向」には立てないだろう、いっそう自分が惨めになるだけだろう、それなら今のうちに距離を置きたい、そんな哀しい絶望を自分に落としたい、そんな想いだったのでしょう。
    陽介はそんなアマンダの哀しみを理解したのか、できていないのか。
    けれど、彼は理解したいと望み、足掻こうと決めた様子です。
    彼はアマンダに歩み寄れるのか、アマンダの絶望を振り払うことができるのか。
    いろいろなSFで、地球が統一されてひとつの国家、みたいになっている設定をよく目にするのですが、個人的に気になっているのが、通貨は統一されているのかしら? ということ。
    国家の持つ権能として通貨の管理は必ず行わなければならないのでしょうが、地球全体で通貨が統一されたら、国際経済って混乱しちゃうのじゃないかしら、といつも心配(?)してしまうのです。
    このUNクレジットの概念はUNとしては予定されている地球連邦化後の通貨管理のテストケース、という設定です。
    おそらくEUみたいにハードカレンシーを目指すことはないけれど、経済活性のためにもローカルカレンシーは残すのだろうな、なんてぼんやり考えています。
    って尊敬なんて! 嬉しいけれどそれ以上に恥ずかしいので、ヒマ人の妄想程度に思って鼻で笑ってくださいませ!

    引き続きお楽しみ頂けますならば、こんなに嬉しいことはありません。

  • 2人の生きてきた世界、価値観の違いが強く描写されましたね。両者の言い分は互いの立場に立ってみれば間違っていないだけに辛いものです。

    作者からの返信

    ごきげんよう、焔さま。
    返信が大変遅くなってしまい、申し訳ありません、失礼いたしました。
    いつも丁寧にじっくりとお読み下さり、温かくお優しい応援やコメントを、本当にありがとうございます。

    仰る通り、軍へ入隊するまでのふたりの歩んできた人生、その周辺環境などの違いが、ここへきて一気に互いに許容できない壁として立ち上がってまいりました。
    倫理的には陽介の主張通りなのですが、そしてアマンダもそれはしっかり理解できていて、ただ、シャバでの暮らしの中、陽介の言うような「綺麗事」だけでは生きてはいけなった、そんな生活が彼女の倫理的なハードルを低くしているのでしょう。
    ただ、今回のアマンダは、どちらかというと「真っ直ぐで明るい陽の当たる道を歩いてきた」陽介が、眩しくて、羨ましくて、そして自分の汚れ具合がいっそう目立って惨めになってしまう、それに耐え切れずに、反抗するために、そしてこれ以上陽介に惹かれてしまわないようにと、わざと彼を遠ざけるような真似をした、そんな心境だったと思います。
    こんなアマンダに対して、陽介は彼女の思惑通り距離を置くのか、呆れて見捨てるのか。

    引き続きお楽しみ頂けますならば、こんなに嬉しいことはありません。

  • しのぶさま
    アマンダさんの、眩しいくらい真っすぐな陽介さんに対する思いへの苦しさが、まるで自分のことのように感じられます。その明るさに自分の暗い部分を見せつけられる痛みも、そうならざるを得なかった理由をぶつけずにはいられない絶望も、胸がしめつけられるようです。悔しくて、悲しいですね。この先ことあるごとに陽介さんのもつ太陽に焦がされるなら、今、自分は光をもって接する人間ではないのだ、放っておいてくれと線を引く、痛みを伴う自衛が切なく辛いです。

    作者からの返信

    ごきげんよう、まんてんさま。
    いつもたくさん、丁寧に深くまでお読み下さり、温かな応援やコメントを本当にありがとうございます。

    まんてんさまの、アマンダの苦しみに優しく寄り添って下さっているコメント、嬉しくて涙が溢れてしまいます。
    アマンダにとって陽介は、これまでに辛かった過去を優しく温かく包んでくれる、まさに太陽のような、だからこそ眩し過ぎて、いっそう自分の影が濃くなってしまうのが苦しくて哀しくて、この先きっと彼とは離れなければならないのならば、未だその優しさに馴らされていない今のうちに。
    まさにアマンダにとっては、自分の心を守る自衛行動。
    二人がこの恋を成就させる為に、これほど長い物語が必要な理由が、ただ一点、彼女のこの悲しみなのです。

    引き続きお楽しみ頂けますならば、こんなに嬉しいことはありません。

  • アマンダさんにとても共感して読みました。私は彼女のような苦労を背負った人生ではありませんでしたが、それでも歯を食いしばって稼いだ金が、かけがえのない人を救えなかった絶望は目に映るようです。病院から告げられた金額は、おそらく桁が違ったのでしょう。
    そうした苦労をしてこなかったからこそ真っすぐな陽介。その真っすぐさに惹かれてはいても、分かり合えっこないなら、自分がみじめで卑屈な気持ちになってしまうなら、いっそ関係を悪化させてしまいたい――たとえ彼を特別に思っていても。
    そんな気持ちが手に取るように伝わってきて、恋の切なさを遥かに越えた胸の痛みを感じました。

    作者からの返信

    ごきげんよう、綾森さま。
    いつもたくさん、丁寧に深くまでお読み下さり、温かな応援やコメントを本当にありがとうございます。

    ありがとうございます、アマンダに心を寄せていただいたお優しいコメント、感激です。
    本当に綾森さまが読み取ってくださった通りで、アマンダにとって陽介という存在は、見上げて眩しさを感じて後ずさってしまうそんな存在。
    だからこれ以上深入りしたら、もっと自分が惨めになってしまう、傷ついてしまう、そんな恐れを感じてしまったのでしょうね。
    でもその表情には「陽介、助けて」という願いがはっきりと表れてしまっているという、矛盾。

    引き続きお楽しみ頂けますならば、こんなに嬉しいことはありません。

  • こういう擦れ違いや、揺れ動く心情、そして後々拗れるだろうと分かっても描くべき人間関係……。こういうのを見ると、本当に丁寧に描かれているんだなぁ、と実感します。
    虚飾と虚栄だけでなく、おばあちゃん回りの真実も添えて、それで読者の心をぐっと掴んで揺さぶる……。
    こういうの、目頭熱くなっちゃうんですよ……!

    何か色々考えちゃいますね。
    何気ない一言にさえ、重みがあり過ぎるんですよ。
    だからこの作品が好きです。

    作者からの返信

    ごきげんよう、海雀さま。
    いつも丁寧にじっくりと、深くまでお読みくださり、温かくお優しい応援やコメントを、本当にありがとうございます。

    本当に過分なほどのお褒めの言葉、嬉しくってでもそれ以上に面映ゆくって、だけど、この4章で語られるアマンダの「理屈」は、この恋愛物語が多くの文字を費やさなければ成就しない一番の原因を表す彼女の想いで、これが最後まで彼女の幸せへの足取りを鈍らせる理由となっています。
    だからこそ、海雀さまが丁寧にそれを(読み難い文章でしょうに)読み取ってくださったことが、とっても嬉しくて。
    おばあちゃんのこと、そして両親のことも含めて、アマンダ自身にとっても、簡単に陽介の胸に飛び込めないトラウマでもある、それは後々、ぽつぽつと語られますが、そんなバックグラウンドを知らぬ陽介が、アマンダとどう面と向かっていくのか、それが4章、5章の核となっております。
    海雀さまの、好きです、というお言葉に、泣いてしまいました
    ありがとうございます。

    引き続きお楽しみいただけますならば、こんなに嬉しいことはありません。

  • なんという役者!
    アマンダさんの渾身の一幕は、素直な陽介さんにはそのまま、本当にそのまま受け止められてしまいそうです。
    価値観の違いは住む世界の違いでもある。
    それを自ら浮き彫りにしたようでもありました。

    作者からの返信

    ごきげんよう、蒼翠さま。
    いつも丁寧にじっくりと、深くまでお読み下さり、温かくお優しい応援やコメント、本当にありがとうございます。

    そうですね、仰る通り、陽介への想いを胸の底に無理矢理沈めたうえでの、アマンダの渾身の演技でしたね。
    血を吐くような苦しみを感じながらの、拒絶。
    陽介と自分を、昼間と闇夜に位置付けなければならないと思った彼女の悲しみがどれほどだったろうかと考えると、彼女が哀れに思えてしまいます。
    陽介が彼女の言葉をどう受け止めたのか、言葉の向こうで泣き叫ぶ彼女の姿を、ちらりとでも見つけてくれたら良いのですが。

    引き続きお楽しみいただけますならば、こんなに嬉しいことはありません。

  • お互いの価値観の違いから起こった諍い、という表面の裏にあるアマンダさんの強情かつ意気地の無さが、哀切をもって心を打ちつけてきます。
    これを彼女の魅力と感じてしまうのは、私がこの物語にハマっているからでしょうか(笑)。

    しかし、どの時代でもどの世界でも境界線を越えてくるのは真正直者ですね。
    そんな陽介さんには、もう一歩頑張ってもらいましょう!

    作者からの返信

    ごきげんよう、明之さま。
    いつもたくさん丁寧に、じっくりと深くまでお読み下さり、温かくお優しい応援やコメントを、本当にありがとうございます。

    ああ、アマンダと陽介の本質的な擦れ違いを拾い上げて下さって、本当に嬉しいです、ありがとうございます。
    表面上は突っ張って、強気のイケイケに見えますが、アマンダは基本的に自己嫌悪を常に胸に抱えて、それを相手に気付かれたくないと、遠ざける為に誰かれなく噛み付くような、弱腰の女性なんです。
    そしてご指摘の通り、陽介はその素直な、そして真っ直ぐな性格もあって、ある意味空気を読まずに、自分の信じるところへ一直線に踏み込んでいく、やっぱり表面的な見え方とは違って、アマンダよりも強気で体育会系とも言えるかもしれません。
    ただ、今は基本的な胸の内が互いに理解できていませんから、物別れに終わってしまいました。
    仰る通り、陽介が諦めずに、次の突撃を実行してくれたなら。

    引き続きお楽しみ頂けますならば、こんなに嬉しいことはありません。

  • ご機嫌よう、お邪魔いたします。

    善と悪とか、育ちが明るいとか暗いとかそういう話ではないのでしょうね。
    傷口が痛いから別れることにする、そのために悪いことをする、
    とある意味勝手な子供の理論で泣き喚くアマンダ。
    苦労ゆえに達観してシビアな大人になっているように見えるアマンダが
    子供に戻れてしまうのは、戻せてしまえるのは陽介と四季さんだけなんだと
    改めて思わされました。

    作者からの返信

    ごきげんよう、可付加さま。
    いつも丁寧にじっくりと、深くまでお読みくださり、温かくお優しい応援やコメント、本当にありがとうございます。

    もうまったく仰る通りで、アマンダは理屈にもならないような我儘な思いに理屈をつけて、喚いているだけの子供です。
    哀しいのは、アマンダ自身がそんな理屈を信じているはずもなく、唯々、陽介と一緒にいる時間が長くなれば長くなるほど、自分がつらくなるから逃げ出して、傷を浅く出とどめたい、それだけなんですね。
    逆に言えばそれくらい、アマンダにとって陽介は眩しく、本当なら見栄も外聞もなく抱き着きたいくらいに思っている。
    だから、これは甘え。
    陽介と四季は、きっとそんな彼女の思いに気づいていて、そのうえでなんとか目を覚まさせてあげたい、そう思っているのかもしれません。

    引き続きお楽しみいただけますならば、こんなに嬉しいことはありません。

  • アマンダの「らしさ」がにじみ出たエピソードで、とても印象に残りました。
    軍票というのも物語の雰囲気とマッチしてて良かったです。それに、これだけ科学技術が発展してるので、そこは電子決済でしょ、と思いきや、このローテクの塊のような軍票システムを使う積極的な理由もあり、言われてみるとたしかにな、と思わされました。さすがです。

    作者からの返信

    ごきげんよう、嶌田さま。
    いつも丁寧にじっくりとお読み下さり、温かくお優しい応援やコメントを、本当にありがとうございます。

    うふふ、そうなんです。
    ご指摘の通り、普段はIDカードでの電子決済ですので、ここで「アマンダが横領できそうな」軍票をどうやって登場させようか(アマンダはハッキングとか無理そうですし)と悩んだ末に登場した物語上の環境でした。
    お褒め頂き光栄です、でもちょっと私自身うんうん唸って捻り出した設定でもあり、ちょっと面映ゆい? でもそれ以上に嬉しいです!
    本当にアマンダらしさを感じ取って頂いて、感激です。彼女の悲しく切ない想い、自らそれを盾にして切り出そうとした別離、彼女に寄り添って頂けたお優しいコメント、嬉しいです、ありがとうございます。

    引き続きお楽しみ頂けますならば、こんなに幸せなことはありません。

  • 冒頭、カレーライスに続く、好きなストーリーでした。

    アマンダのマージナルラインが手に取るように分かる描写と、そんなことは露知らずお構いなしに、ずけずけと進行する陽介さんの素直で眩いばかりの冷ややかに見えてしまう視線。たぶん、相手がアマンダだったからこそ、陽介さんも引き下がれないものがあったんでしょうね。目の前で行われている不正行為を見逃せないというより、アマンダにはそうあって欲しくないという気持ちが見え隠れしているところに、温かみが感じられました。

    アマンダもそんなぬるい感情を少しばかりか読み取ってしまったからこそ、意地になりつけ放そうとしている。彼女の嫌いな「ガキの部分」が露になり、大人になりたい。大人がなんだかわからないが、それが出来ないなら一人で構わない。

    やせ我慢と無残なたばこの煙が複雑な余韻を残す。緻密なストーリーでした。

    作者からの返信

    ごきげんよう、50%くらいかさま。
    いつもたくさん丁寧に、じっくりと深くまでお読み下さり、温かくお優しい応援やコメントを、本当にありがとうございます。

    もう本当に鋭い、ご慧眼です。
    ここまでアマンダの心情に寄り添って頂けるなんて、もう嬉しくてありがたくて感動してしまって、涙が零れてしまいました、本当に愛して下さりありがとうございます。
    陽介は、複雑なアマンダの胸中、全てを理解できたわけではないし、加えてそこまで規則遵守一点張りの堅物の真面目士官でもありません。
    もう、本当に、アマンダという女性が秘めた善性を信じた上で、だからこそ「そんな真似をさせたくない」、もう唯その一点で、彼女の前に立ち塞がりました。
    普通の関係ならば、ここでアマンダとの関係構築は諦めるかもしれませんが、この後も陽介は弱腰ながらも彼女に拘り続けます、そのエネルギーこそが「アマンダという女性の人柄を信じて」なんだろうなと思っています。

    引き続きお楽しみ頂けますならば、こんなに幸せなことはありません。


  • 編集済

    壇ノ浦でも桶狭間でもそうでしたが、戦での死体漁りは民草の特権。有効活用できるならしたいと思うのが小市民。でも育った環境の違う陽介から見れば、それはあさましい行為。どちらの言い分も分かるのですが、アマンダのほうは言ってみれば論点のすり替え。昔のことと今のことを同期させて、さも正しい理由だと思わせるのは詐欺師の手口。陽介もそれは分かっているけれど、彼女に過去の一端を思い出させてしまった自分への戒めとして謝ったというところでしょうか。
    気弱で優柔不断な感じさえ受けますが、陽介のそんなところが好きになりました。

    作者からの返信

    ごきげんよう、悠木さま。
    お忙しいでしょうに、いつもたくさん丁寧に、じっくりと深くまでお読み下さり、、温かくお優しい応援やコメント、本当にありがとうございます。

    はい、悠木さまの鋭い洞察の一端が、ここで如実となりました。
    仰る通り、過酷な戦場で命に明暗が照らされて、下級兵士は死体漁りは表向き禁止ですがこっそり行う兵士も多くいたでしょう。この戦争は相手が異星人ですから、主に味方の戦死者のポケットから、煙草や財布、腕時計などを抜き取る、なんて横行していたかもしれません。
    悠木さまがご指摘されている通り、元々アマンダはそのような行為には手を出していませんでした。
    それが今、陽介の目の前で手を出した、意味。
    アマンダから陽介への訣別。これ以上陽介に深入りすることで、後々きっと訪れる筈の辛い別れの傷が、致命傷にならぬよう。
    早いうちから、傷が浅いうちから、陽介と距離を取ろう、その言い訳にこの犯罪が使われました。
    陽介はそこに気付かず、ただアマンダと言う女性の、口は悪いけれどその性分は基本善性の女性だと思ったからこその対立軸になっています。
    だからこそ余計にアマンダは、苦しく哀しいのかもしれません。
    引き続きお楽しみ頂けますならば、こんなに幸せなことはありません。