第6話 お二人、大立ち回り編1

(以下、武器の説明です。


 各人が持つ武器は、和洋ちゃんぽんになっております。日本の武器の方が分かりやすいだろうし、同じ武器だと書いてる方も楽しくないし。なによりファンタジーだから、面白さ優先ということで。


 脇差しは時代劇でみなさんも見たことがあるだろうもので、武士が腰に差している大小のうちの小さい方です。これは武士以外も帯刀を許されたもので、例えば、座頭市が持つのもこれです。

 チイねえが持つのは、これより一段短いものとイメージしていただければ、と想います。


 懐剣は、洋画などでよく見る腹のベルトにふところ差ししているアレです。


 ゴリねえの持つ大段平おおだんびらは、一般的な大剣を想い描いていただければ。両手持ち用なので、ローマの剣士などが持つ片手用の剣より2回りほど大きいです。


 敵の一人が持つ、野太刀のだちは、柄と刀身を合わせれば、大人の背丈ほどにもなる大刀です)




 全てが計画通りという訳ではなかったが、二人は城門の1つを内側から開け、マガツ騎馬軍を王城に招き入れた。そして王城の制圧を手分けした。その際、捕らえた王族は殺さぬこと、とのエリザベトの命をしっかり伝えた。それから、騎馬軍を割り当てなかったところ――王太子府へは2人のみで向かった。




「憶えておらぬのか?」


 チイねえが問う。


 相手は不審そうな顔をするのみ。


「残念だわ」


 と後はゴリねえが引き取った。


「何が残念なのか?」


「自分がなぜ殺されるのかを知らないからよ」


「笑止。2人で4人をれるとでも、想っているのか?」


「もちろんよ」


「我らを誰と心得るか。王太子殿下の選任護衛4人衆ぞ。ここに来るまでに当たった者と同じと想うなよ」


「この先には、王太子がおるのね」


「そこに赴けると想うておるのか? お前らの如き不心得者は、殺さず捕らえ、王太子殿下の御前に引っ立ててやる。

 お前らは知らぬだろうが、王太子殿下はことのほか残虐な処刑をお好みになる。どうやって殺すかの裁きを賜った後で、それに従って、なぶり殺しにしてやろう」


 チイねえは、長話は無用とばかりに、相手との距離を無造作につめだす。


 相手4人は間合いを保たんと後ずさる。


 4人対2人で向かい合い、チイねえは右、ゴリねえは左におる状況である。


 その者たちは、かなり広い中庭で待ち構えておった。あえて狭所で待たぬは、4人おるということに加え、長物を得手とするということもあってであろう。実際4人中、2人は長物をたずさえておった。

 広いといっても、4対2ならばということであり、こちらが10人以上で攻め込めば、一転、動きが取りづらくなる。そこら辺は良く考えてということであろう。


「こらっ。いけず。二人ずつよ」


「分かってる。貴方あなたにとっても仇だ。今回は約束を守ろう」


「いい子ね」


(ここで作者による緊急注釈(笑)。


 なぜなら、百花がいないからだ。


 基本チイねえのわがままを許しがちなゴリねえだが、いくつか守らせておる約束事がある。2人きりの時、つまりプライベートでは、貴方あなたと呼ばせることも、その1つであった。これをたまたま聞いたことが原因で、百花は2人の間を怪しむことになったのだった。


 またチイねえは、しばしば抵抗して「あんた」と呼んだりしたが、それが痴話喧嘩の発端となるは、まさに余談である)




(次話より、数話はグロ注意となります。話のタイトルにそう明記します。苦手な方は飛ばしてください。読まなくても、ストーリーを追う上では問題ありません)

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