第33話

 その日の夕刻には、私は落ち着いた。


 そして皇子の望み通り、私たちは婚約した。


 そしてその後、ようやく私は用件を伝え、軍事同盟を締結した。




 その夜、私たちは結ばれた。


 アンドラーシュは私を抱き、エリザベトの体はそれをよろこびをもって迎えることはできなかった。


 ただ、私の心はとろけっぱなしであり、そのおかげで痛みはずい分、やわらいだ。


 その日のうちに結ばれたのは、互いの相手を激しく求める心のゆえのみではなかった。私は皇子の子を欲しいと想い、恐らく相手も同じ想いを抱いてくれたのだろう。ただ、恐らくその想いは、女の私の方が強かっただろう。


 私は自らの作戦を軍事同盟締結時に伝えており、皇子から了承を得ておった。その軍事行動において、互いに命を落とす危険が確かにあった。そのゆえでもあったのである。

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