☆エピローグ 秋はこれから!☆
「オジサ~ン♪」
「亜栖羽ちゃん♪」
球技祭が土曜日だった亜栖羽の学校は、月曜日の今日が代休だった。
亜栖羽からのお誘いで、二人は繁華街の駅で待ち合わせ。
駅前の屋上デパートで、少女の好きなキュリプラの着ぐるみショーがあるのだ。
「わざわざ すみませ~ん♪」
「ううん。僕も、亜栖羽ちゃんと会いたかったから」
「えへへ~♪」
屋上のショーは子供連れが多く、亜栖羽はショーが終わった後、子供たちの列に並んでサインと握手を楽しむ。
その後、二人で喫茶店へ。
「一昨日が球技祭だったけど、亜栖羽ちゃん、疲れてない?」
「ぜんぜんですよ~♪ むしろ元気が溢れてる感じです~♪」
いつも以上に輝いて見えて、育郎も安心したり。
「それでですね~♪ 今日はお会いして~、球技祭の写真とか、オジサンに直接 送りたいな~って、思ってまして~♪」
「ああ、なるほど♪」
球技祭の後に、亜栖羽から電話を貰ったけれど新しい写真は貰えず、今日のデートの話になったのだ。
「それじゃあ写真とか、送りますね~♪」
と、亜栖羽のスマフォから育郎のスマフォへと、データが送られてきた。
「来た来た♪ あ、これはみんなで、お弁当を食べている写真だね♪」
お弁当だけや、家族と一緒の写真だけでなく、ミッキー嬢や桃嬢など、友達との写真も沢山ある。
「この後は~、球技中の動画です~♪」
亜栖羽の祖母が撮影したというバスケの試合で、亜栖羽がドリブルで相手チームをパスしているシーンや、シュートを決めてみんなと喜ぶ亜栖羽など。
「! すごく綺麗に撮れてるね! 亜栖羽ちゃんのお祖母ちゃん、撮影 プロみたいだよね♪」
カメラのブレがないだけでなく、亜栖羽を画面の中心に抑えたまま、ちゃんと追いかけている。
なんというか、カメラ撮影慣れの熟練感というか。
「はい~♪ お婆ちゃん、昔からカメラ 好きなんですよ~♪」
「そうなんだ。凄いんだねぇ♪」
思わずジっと魅入ってしまう。
そして、コレクションが増えて、嬉しさに破顔をする青年であった。
写真を観ながら球技祭の報告が聞けて、部外者立ち入り禁止だった育郎も、球技祭の様子がよく解る。
暫し歓談をして、お店を後にする二人。
時間は、丁度お昼だ。
「亜栖羽ちゃん、これから久しぶりに、カモメ屋さんでお昼、食べる?」
「あ、は~い♪ カモメ屋さん~、行きたいです~♪」
亜栖羽の笑顔が、パァっと、更に愛らしく嬉しそうに輝く。
「それじゃあ、行こうか♪」
二人は電車に乗って、最寄り駅へと向かった。
文学の秋に芸術の秋に、食欲の秋に、スポーツの秋も楽しんだ。
「今月末は、いよいよキャンプだね」
「はい~♪ すっっごく、楽しみです~♪」
夏前から約束をしていた日帰りキャンプだけでなく、紅葉狩りや栗拾いなど、秋の行楽シーズンは、まだまだ始まったばかりだ。
次のデートが楽しみな二人だった。
~エピローグ 終わり~
好きじゃなくって愛してる! ~初秋編!~ 八乃前 陣 @lacoon
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