第22回🐔賢いコンの反省会会場(後編)
共感覚令嬢で一番楽しかったのは、情景描写である。
描写厨の八軒としては、異世界恋愛のジャンルは情景描写のし甲斐がある。
特に女性陣の登場シーン。
今作のキーヒロインとなる、ミスリア・ハラハ・オラトリオ嬢。
彼女の初登場シーンではどうか
沈黙のベラドンナ https://kakuyomu.jp/works/16817330654605130783/episodes/16817330654672130258
の回は書いていて、とても楽しかった。会心の出来であった。
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>扉が開く。
>瞬間、息を飲んだ。
>白で統一された室内に、彼女は座っていた。
>銀の絹糸のような髪は長く、彼女の背を流れて床に広がっている。肌は新雪のように純白できめ細かいのか、輝いて見えた。はめ込まれた宝石のような瞳。深いアメジスト。赤く小さな唇が印象に残る。床に座り込む姿は、はかなげで、どこか幼く見えて。
>オラトリオの姫。荒ぶる白狼王の末裔まつえいというイメージとは真逆の姿。
>それはまるで、おとぎ話に出てくる雪の精霊のようだと思った。
>「ァ――……」
>私に気づいた彼女が小さく声を上げる。
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彼女のイメージカラーは断然『白』である。
許されるならばアルビノにしたかったくらいだ。だがアルビノにするとあまりにアンタッチャブルのイメージが付きすぎる。彼女はあくまで普通に恋愛し、相手の男を求め感情を揺らし、その為ならば悪い事も考える等身大のキャラだ。
扉が開き、目の前に広がる情景。主人公シィルと一緒に読者はハッとしてくれたたことと願う。少なくとも八軒は自分で読み直しながら毎回鳥肌が立っている。そういうシーンはよくできたシーンだ。
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>エルドレーダ・ルイン・テンペラートはこの国の皇女さまの名前だ。
>彼女のことを語る場合、“炎髪の”なんて枕詞をつける事が多い。
>炎髪。皇族の血筋にあらわれる、特徴的なクセのある赤毛。
>歴代の皇帝家の肖像画を眺めれば、それが代々受け継がれている事が分る。
>その中でも、第一皇女エルドレーダ様の赤毛は、最もゆたかで、ふさふさとしていて美しいと評判だ。
>彼女が歩けば、ゆらめく焔ほのおのような赤髪が揺れる。
>瞳もまた、ルビーのような真紅。
>紅玉の眼差しは、彼女のもの逃さない。彼女はとても苛烈な性格を持つ事でも知られていた。
>「顔を上げなさい。シィル・アムンゼン」
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対比されるのは、炎髪の皇女エルドレーダ。
彼女はイメージカラーは炎のような赤である。
ネタバレになるから控えるが、彼女はこのお話の最重要人物である。
毅然とし、強く、だが強情で、悲しい。
もう少し、描写を盛っても良かったなとは思うが、情景描写はやり過ぎるともっさりとした印象になる諸刃の剣。ここぞとという場面にブチ刺さるように使うのだ。
あとはラストのシーンか。
主人公シィルがヒーローベルクントの恋心を察して逃げ出すシーン。
あそこも、制服姿での
あまり描写をしていないつもりなのだが、情景はしっかり浮かぶ所だ。
八軒は、だいたい脳内で映画なりアニメの上映会が行われていてそれを紙面に言葉を尽くして表現しているような気がする。
共感覚令嬢は、とてもビジュアル映えする題材であった。
慣れないミステリ仕立ててで、かなり強引に進めたシーンもあったものの、最後に修正もしたしそれなりに仕上がったと自画自賛しておこう。
賢いヒロインコン。ぜひとも獲りたい所である。
コミカライズもアニメ化もかなり向く作だと思うので、編集部さんどうですか!?
この間ノベルピア大賞の結果があった。Twitterでフォロワーをさせて頂いている方が受賞した。すごい! おめでとう! 賞金の額やばい!
ノベルピアは権利系が結構きつくてスルーしたのだけれど、羨ましいのは普通にある。八軒もコンテスト取りたい。カクコン、特別賞とか取れないかなぁ……。大賞は無理としても。
そんなわけで、八軒はエッセイで自作を自画自賛して、心の平穏を保つ。
◆今後の方針。
5月1日からドラノベコンテストが開催されるらしい。
その中に見過ごせない一文を見つけた。
ファンタジー×マニアックで
SF×ファンタジーですって!
エドガーいいんじゃない? カクコンで何も取れなかったら、次はドラノベコンだそう。お題系は、☆が無くてもいいらしいけど、流石に0はよろしくない。
4月中にエドガーの第二部を終わらせて、ドラノベコンの真ん中あたりから第三部を開始しようと思う。
同時に以前書いて没にしていた、ダークファンタジーをリメイクしだそうと思っている。
次はドラノベコンだ! 覚悟しておくがいい、八軒が来たぞ!
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