あらすじから本編に入り登場する少年少女のかけあいを見ていると胸が締め付けられます。
実際にそのような形で締めるのか、言葉の裏を読んでいいのかは私が見た所まででは、まだ不明です。
ですが、それゆえに先が気になりついつい読んでしまうというのは、きっと作者様の手の上で踊っていることと同義なのでしょう。
そして結末を決めているからこそ、ここまで確立された世界観を読み手に見せることができるのだろう、と感嘆の吐息を洩らすばかりです!
丁寧かつ繊細な描写なので、お堅いかと想像する方もいるかもしれませんが、会話でメリハリがついているため、
常に緊張を強いられるようなスタンスで読む必要がないのも読みやすさの一因を担っていると感じました!
そんな眩しくも儚い物語、あなたも読んでみてはいかがでしょうか!
タイトルなりタグなりあらすじなり、あるいはひとこと紹介のどれおかなり。何かしら引っかかるものを感じた方、よろしければそのままプロローグをお読みくださいませ。それでだいたいどんな導線の物語かはわかってしまうと思います。
私の個人的な印象を要約すると、本作はとても「瑞々しいお話」です。
ごく普通の女の子「織部 菫」と、無自覚に魔術をその身に宿していた美少女「片岡アルカ」、そして魔術師の少年「継片 昴生」。この三人の少年少女の、プロローグに至るまでの日常、たぶん後から振り返ればとてもまぶしい日々の、本作はそんな物語なのだと受け取っています。
私的には、本作の(2022/12/14現在の)白眉たるエピソードは四話目「矛」。
菫ちゃんがかっこいいんです。詳しくは本編を読んでいただきたいのですが、刺さるひとには絶対に、ざっくりと刺さるやつです。
少なくとも私は、ここを契機に本作を「これからも追っていける」と感じました。
あと、魔術の解説――というか、見せ方が面白かったです。特筆してどこがという話になると、内容の話に足を踏み込んでしまうためちょっと書きづらいのですが、解説の導線と言うか、手順の積み方が上手いなぁ、と。
ここに限らず、作中の描写というか、見せ方の上手い方だと思っています。
もし何か琴線に触れるものがあれば、どうぞお手に取ってみていただきたいです。首尾よく刺さるかもしませんし、もし刺されば、きっと物語の先を追いたくなります。