精霊たちの大運動会 ユアンとショーンの契約精霊
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周囲の精霊たちの不毛な争いを観察している精霊3匹、ユアンの契約精霊であり闇の上位精霊ダーク、ショーンの契約精霊であり炎の上位精霊ファイヤー、同じくショーンの契約精霊であり土の上位精霊アースはのびのびとあくびをしていた。
主人が兄弟であり、自分たちもいつもずっと一緒にいたことから、とても仲が良い3匹の精霊は基本的にお互いに文句があるわけでもない。よって、この大運動会でガンガン喧嘩をする必要もなかった。よって、3匹の精霊たちは大運動会最中、正直に言ってとても暇だった。
「《今日はトランプという人間のおもちゃを持ってきてみたわ。一緒にやってみましょう》」
アースの声かけに、2匹の精霊はあくびを噛み殺して、羽を伸ばす。
「《いいな!!アースは何がしたいんだ!!》」
「《ダーク、ちょっと音量下げて。耳が痛い》」
「《おぉ!!すまんすまん!!ファイヤー!!》」
「《全く下がってないわよ》」
げんなりとため息をついたファイヤーとアースを見つめながら恥ずかしそうにポリポリと頭を掻くダークを横目に、アースはトランプをシャッフルする。魔法を使って一気にぐちゃぐちゃにするのも楽しいが、最近は身体よりも大きなトランプを自力で混ぜることにハマっていた。
「《じゃあ、今日は大富豪をしましょう》」
アースの声かけで、ゲームが始める。
毎度変わる変わる勝者が変化していくゲームは、飽きることも終わりが来ることもなく続いていく。青空が広がる時間帯から始まった“大富豪”は、勝者が有耶無耶になったまま夕方を迎えたのだった。
わたしの刺繍が必要?無能は要らないって追い出したのは貴方達でしょう? 桐生桜月姫 @kiryu-satuki
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