スマートになった我(正しくはスマホに入った自分)

こいだ

ただひたすらに漕いだ

結果いつもより時間短縮は出来た

自己最高記録


ただ出発の時間が遅いので

ただの遅くの帰宅


カチャンと自転車の鍵をかけ

ガラガラと玄関の戸を開ける


「ただいまー」


「緊張するでござる!」


「もう!喋っちゃ駄目でしょ!」

小声でスマホに話しかける


「おかえりー ちょっと遅かったね

雨大丈夫だった?」

お母さんが奥の台所から

エプロンで手を拭きながらやってきた


「うん 土手の所で凄くなって

大きな木の下で雨宿りしてたの」


「あら じゃあ すぐお風呂に入っちゃいなさい お湯貯めてるよ まだ誰も入ってないから」


「うん そうする ありがとう」


そう言いながら二階の部屋へ滑り込む


「ふう ドキドキするわ」


「申し訳ない」


スマホをポケットから取り出し

机の上におく

画面の中でりょうさんが 腰を折って

謝っている


「りょうさん そんなに気にしないでいいから でも 喋っちゃだめだよ 家族にまだ話さないでいようと思うから」


「分かった 気をつけよう」


無理な気がする………


「じゃあ ちょっとお風呂に行ってくるから 画面消しとくね」


「分かった」


ロックをかけて尚且画面を下に置く


「さぁ お風呂にいきますか」


着替えを用意してお風呂に向かう



チャポン


「ハァ~温かい 意外に体冷えてたんだ

まぁ濡れたまま へびと対峙してたわけだし ふぅ」


まったり湯船に浸かっていたら


「環~ちょっとスマホ貸して~」

とお姉ちゃん


「あーロックかけてるから

お風呂上がってからでいい?」


「いいわよ~」


そろそろ上がらないと りょうさん心配だし

着替え終わって 部屋に戻り

スマホを持ってロック解除


「りょうさん」


「ん 環あがったのか」


「うん 今からお姉ちゃんに

このスマホ貸すから しゃべらないでね」


「なんと 姉上か

挨拶をせねばなるまい」


「いや まだ早いから

そのまま動かないでね 動くと しゃべってもバレルから」


「あいわかった!」

両手を組んで頭を下げてる

約束はしてくれたけど 心配しかない


それならば…


「お姉ちゃん お風呂あがったよ~

何に使うの~?」

先に聞いてみる 私の操作で解決するなら

自分で操作したほうが危険は回避できるかも

そう思って 先手を打つ


お姉ちゃんの部屋に行って

「お姉ちゃん」


「あ 友達紹介登録頼むわ

どうしても ポイント欲しいの」


なるほど……


「いいよ 送って」

良かった~言ってみて


「んじゃ 送るねぇ」


送られてきた紹介に登録していく

画面にたまに りょうさんが出てきて

吹き出しそうになるのを抑え

「完了」


「ありがと~助かったわぁ」


「ん どういたしまして」

と 言いつつ部屋をでて

自分の部屋へ


カチャン ドアを閉めて


「りょうさん 動きすぎ

ちょっと笑っちゃうよ ふふ」

画面に話しかける


返事がないが動いている


「?あ いいよ話して」

しゃべらないでねと約束していた


「ふぅ もう大丈夫でござるか?」


「うん もう部屋に戻ったから」


「ここは 面白いところで いろんなものがみえるでごさる」


ござるござるって ふふふ


「りょうさん ござる つけないで

普通に話していいよ~」


「うむそうか このスマートは

いろんな絵とか文字が沢山見れるので

凄く楽しい」


「そうなの?じゃあ 退屈しないで

大丈夫みたいね」


「うむ ありがたい」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

蛇(あなこんだ)と思ったら龍でした かくさんすけさん @kakusan0102

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ