第11話 頑張ってます!

俺は自分で言うのもアレだが、性格が悪い。


こう書くと、自分語りする痛いオッサンみたいで嫌だが。


これでもオブラートに包んでなるべく体裁を取り繕った言い方をした方。


もっと端的に言えばクズだ。


基本的に誰かのポジティブな発言を見ると「胡散臭い」と感じてしまうくらいにはクズである。


『気づきを〜』なんて言葉を使うヤツを俺は絶対信じない!



まぁ、そんな事はどうでもいいのだ。


何故こんな話しをし始めたのかと言うと、ウチの職場に新たに加わった新人、ベテランが計6名。


社会人も学生も、新たな年度となり新たな人間関係を築いているのではないだろうか?


そんな中で期待いっぱい、不安も少々。飛び込んできた連中も、迎える連中も何かと普段より気合いが入ってる事と思う。


かくいう俺も、迎える側の人間として少なからず期待感を抱いている。一応。見た目では分かりづらいらしいが。


自分ではイケメンで優し気な顔立ちだと思っているのだが、世間一般ではちょっと違うらしい。


基本的に近寄りがたい人間だと思われがちだ。

オーラがいかんらしい。恐怖を感じるのだとか。

これでも結構見た目には気を使ってるんだが?


まぁ、俺がイケメンである事は関係ない。俺が、イケメンである事は、今回は置いとく。


大事な事なので2回言った。


そう、新人達は本当に思ってるかどうかは別として「頑張ります」と口々に言う。


俺も、そんな気は更々無くても「頑張ります」くらいは使う。一応、儀礼的な感じで。


それは良い。まぁ、当たり障りない所信表明みたいな挨拶がわりである。


「頑張ったけど、ダメでした」


コレもまぁ、わかる。そういう事もあるよねー。


しかしながら、「頑張ってます!」「頑張ってるんです!」みたいな言い訳じみた使い方をされたらどうだろう?


先日、ミスをミスと自覚しながら報告もせずに放置し、関係会社からの指摘で発覚した事案があった。


「え?頑張ってそれ?」


すまんな。つい、口から溢れた言葉なんだ。


つまり、「自分は頑張ってこの程度の人間なんです!」と声高に語っているのだ。



「傷ついた」


彼はそう言った。俺の言い方は、人のプライドを傷つけると。一丁前に(笑)


正直、鼻で笑ってしまった。


だってさ、いい歳した大人が、「頑張ってるから、そこは評価して!」みたいな言い訳するんだぜ?


ある先輩が言ってた言葉がある。


「頑張りが評価してもらえるのは子供だけだぞ」と。

社会人になれば、結果の伴わない努力は無意味だ。

少なくとも、業務上の評価では無意味である。


そこまでは言わなかったし、失敗から学ぶ事もあるので別に責めたりしなかったのだが、言い訳が「頑張ってるんです!」は頂けない。


「部活じゃないんだぞ」と。

部活だって頑張るだけで実力がお粗末なら、それなりの扱いしかされないだろうが。


失敗やミスは誰にでもある。俺も結構やるし。

それをどうリカバリーするかで今後の評価が分かれるのだろう。


ミスを恐れるな!と言う。でも、ミスすると怒られる。理不尽だと?怒られる内が華である。

そこからどう自分の糧にするかである。と、俺は思う。


最近は、ちょっと厳しいと直ぐにパワハラだ何だと言われる時代である。


コッチだって我慢しとるんやぞ!

一昔前なら罵倒したおしとるわ!


「頑張ってそれ?」の一言で傷ついてしまうくらいなら、せめてもっとマシな言い訳してくれ。

ちょっと笑わせてくれるセンスなんかあれば、こちらも笑っ許せるのになぁ。


そんなヤツなら自分のミスを隠そうとしたりしないか。


頑張るだけで評価してくれる仕事があれば、俺がやりたいわ。

頑張ってるフリだけなら得意なんだ。


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君、笑ウコトナカレ  ── カク人・ヨム人達の為に ── 風呂太郎 @oinarikoujou

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