第3話 少しは私に愛をください

「女心がわかる詩人」

そんなキャッチフレーズもあるくらい、当時の小椋佳さんは女性心理を歌っていました。


でも、今も思うのですが。

女性心理など、所詮、男に分かる筈も無く。


当時は男社会だったので。

勝手にレッテルを張っていたのだと思います。


単なる「男の勝手な想像」だと。

今でも思います。


あえて、そう、お断りして。

やはり、染みるのです。


「少しは私に愛をください」

これは、男も女も同じだと思います。


惚れている方が。

相手に望むのですよね。


何気ない仕草でも。

キュンキュンしている自分なのに。


ジッと見つめる自分の視線を気づかないふり。

いや、無視しているのかも。


それは、何十年。

何百年、昔から同じかもしれません。


「少しは私に愛を下さい

全てを あなたに捧げた私だもの

一度も咲かずに 散ってゆきそうな

バラが鏡に映っているわ」


大袈裟な詩かもしれないけど。

好きな人に振り向いて欲しい気持ちは現代も変わらない筈です。


かえって、ラインでジッと返信を待っている。

貴方も同じなのでは?


アイコンが点滅するのを待つ。

もどかしい時間。


ワザとサイレント設定にしても。

ついつい、暗闇の中でスマホを起動して。


アイコンを探してしまう貴方。


もう、よそう。

もう、待つのはやめよう。


そう、思いつつも。


着信のスタンプを。

探すのですよね、貴方は?


50年前の歌詞を貴方は笑いますか。

女々しいと、思いますか?


AmとEm、CとGしかないシンプルな曲。

僕は歌います、懐かしさと切なさの想いに浸り。


若者よ。

笑いなさい。


老人が綴る想いを。


それでも。

少しでも、切なさに共感するなら。


目の前の愛おしい人を。

大切にギュッとしなさい。


そして。

耳元で囁いて下さい。


「少しは私に愛をください」


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少しは私に愛をください 進藤 進 @0035toto

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