3話 女神様は魔力を集めます!
私は今、スセリビーネちゃんと空を飛んでいる。
「下界に来るのは200年ぶりだなー。200年前よりめちゃくちゃ文明が発達していてすごーい。」
私が下界を眺めていると、スセリビーネちゃんは
「そうだね」
と淡々と私の言葉を返す。ちょっと悲しいけどこれはもう慣れた。
「なんで下界に魔力があるのか教えてくれない?」
「神の魔力で地震起こしたから。」
なるほど。神の魔力で地震を起こしたから地震が起きたところには魔力があるということか。なんで事務室では教えてくれなかったんだろう?
「それなら私来なくても良かったんじゃない?一人でもできるし。」
「・・・」
スセリビーネちゃんは何も言ってくれなかった。私と話すのに飽きたのだろうか。悲しい。私も話すのをやめて飛ぶことに集中した。
しばらく飛んでいると建物が半壊しているところが見えてきた。地震の発生地点に近づいてきているということだ。私がそろそろかな~と思ってスセリビーネちゃんを見るとそのタイミングで、
「あそこの地下に魔力がある」
そう言って、指をさした。私はスセリビーネちゃんが指をさしたところを見て、
「おけーじゃあ転移するよ。
転移して目を開けてみると魔力的なやつは近くになかった。多分、
「魔力のところまで掘る」
そう言って、スセリビーネはシャベルを取り出して、ものすごいスピードで掘り出した。
人間で言う12歳ぐらいの幼女がものすごい速度でシャベルを使うのはけっこうシュールだ。
魔力のところまで掘るとスセリビーネちゃんは、ビンを取り出して魔力をビンの中に入れ始めた。
「10分ぐらいかかる。」
「はーい。」
私は近くの岩に座って10分すぎるのを待とうとした。
魔力を取り始めて5分ぐらいたったころ魔力の中から黒いもやもやが、出てきた。
てかあれって、悪魔じゃない!
悪魔は人間には無害だけど、神や女神にはとても効く。悪魔に神が攻撃してもダメージがほんの少ししか入らない。しかし、悪魔の攻撃は神にダメージを与えることが出来るのだ。
「ルーナ、悪魔と戦っといて!」
スセリビーネの言葉に私は絶叫した。
「むりぃぃぃー!痛いもんあれ。攻撃されたらとてもいた痛いじゃんか。死ぬことはないけどさぁ。」
私はそこまで言って、あることに気が付いた。
「もしかして、私を連れてきた理由を言わなかったのも悪魔が出てくることを知ってたからなの!?」
私が怒りながら叫ぶとスセリビーネは「ふっ」と笑い、ビンを持っていない方の手で親指を上げた。
「ルーナの英雄的行動は誰も忘れない。がんばって。」
非情にも私を見捨てるようだ。
スセリビーネちゃんが私を見捨てると分かった瞬間、私の何かが吹っ切れた。
「あははははははははははは、スセリビーネちゃんがやっていることを邪魔させないようにしたらいいんでしょ!」
私は悪魔に対して両手を広げて、スセリビーネに近づけないようにした。
「ルーナ、大丈夫?・・・攻撃される前から精神崩壊してるよ?」
スセリビーネちゃんはビンから目を離して私を見た。だけど私は無視をして、私は悪魔が繰り出すであろうものすごい魔法、悪意ある攻撃が来るのをは待った。スセリビーネちゃんのために!
だが、悪魔は予想外の行動をした。魔法も使わなかった。悪意ある攻撃もしてこなかった。
誰が予測できただろうか!
なんと悪魔は私の胸をもんできたのだ。
「ぐへへへへっへっへっへへへへ」
「きゃー-」
思わず叫んで、悪魔を全力で殴った。普通の人間なら気絶する威力なのに悪魔はびくともしない。むしろ私がダメージを食らった。
悪魔は喋らないはずなのに下卑た笑いを浮かべている。悪魔が触ったらところはヒリヒリして胸が痛い。私の胸は平均より大きほうで、この揺れてる胸を悪魔が凝視しながら揉んできて気持ちが悪い。
だけど私はスセリビーネのためにこれを耐えている。私がここで逃げたらスセリビーネちゃんが揉まれてしまう。そう思うとやる気が出た
見捨てられたが、心優しい私はスセリビーネちゃんを守るのだ。そうだっ、私なら我慢できる・・・はずだ!
私は2分もの間目を閉じて我慢した。
2分間揉まれ続けると多少慣れてきた。悪魔も手がつかれてきたのか、最初ほど激しくない。目はギラギラ光ってるけど。
私は目を開けてスセリビーネちゃんを見た。目を閉じている間にスセリビーネちゃんも悪魔にもまれていたら本末転倒だからだ。
「殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺すぅ」
下を向いてで非常に物騒な言葉をつぶやいてきた。
そして魔力を集めるスピードが異様に早い。魔力がビンにどんどんたまっていく。魔力が完全に溜まったところで私たちを見た。
不覚にも私はスセリビーネちゃんの顔を見てとても驚いてしまった。いつも通り無表情なのだか顔がとても赤いのだ。スセリビーネちゃんはものすごいスピードでこちらに走ってきて悪魔に強烈なパンチを食らわせた。
「私たちの胸をさわるなー----」
普段は感情がこもってない声なのに、今回は激怒の感情がこもっている声で、悪魔を殴った。とても威力があって悪魔は吹き飛んだが、悪魔に女神のダメージはほとんどどおらない。悪魔は何の痛みも感じていないように起き上がった。それに対してスセリビーネちゃんは手を痛そうに抑えている。
「スセリビーネちゃん大丈夫?もう魔力集めたなら帰ろうよ。私は大丈夫だし。」
私が控えめに声をかけてみたのだが、
「私たちの胸を揉んだ
殺意全開で悪魔を殴り続けた。
こんなに殴ったら、自分の手が痛すぎてマヒするのではないだろうか。私は悪魔に胸を触られるだけで、ヒリヒリしたのだから。
それでもスセリビーネちゃんは殴る。殴って、殴って殴って、
なんと、100回ぐらい殴ったところで悪魔が消えた。消滅した。
私は急いでスセリビーネのところに駆け寄った。
「大丈夫?すぐに治癒魔法かけるから!
悪魔を倒せるなんてすごい。1回のダメージが少ないから本気で何度も殴らなきゃ倒せないのに。
私がスセリビーネちゃんの顔を見ると
「大丈夫、ルーナの胸は私たちのもの」
「だから守る}
親指を立てて笑った。普段見せない、いい笑顔だ。
その笑顔に免じて、私の胸はスセリビーネちゃんにの物ではないことを、突っ込まないことにした。
後日、スセリビーネちゃんがセレスティーナ部長にこの話をした時、
「それは良かったわ。私たちの夜の楽しみが汚れてしまう。」
これまたセレスティーナ部長もいい笑顔で笑った。
実は、ルーナが寝ている時にこの2人はルーナの胸をもんで、自分達が胸がないことから逃げているのであった。(現実逃避)
女神様はブラック会社員!? サトら @satorako
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