2話 女神様にだって上司はいる。

私たちがそんな感じでいちゃついている?と事務室のドアが開いて、老人が入ってきた。セレスティーナ部長は入ってきた人をみて、さっきまで浮かべた聖母みたいな顔を消して真面目な表情を作った。そして、

「これはこれは、コエトリクエ社長、なにか御用ですか。」


私はその名をきいて驚き、いそいで礼をした。スセリビーネちゃんも礼をする。


代表取締役社長コエトリクエ、またの名を天神。下界と神の世界と私たちを作った人だ。


コエトリクエ社長は重々しい口調で

「異世界転移部に非常に重要な仕事を依頼しに来た。」

私はとても驚いた。だって、社長が直々に来るほどの仕事がどんなものかわからない。


「実はな、大地神部がやらかしてなあ。大地震を起こして6000人を殺してしまったんじゃ。普通なら異世界転移部に後始末を任せるのだが、今回はさすがに死んだ人間が多いということでわしが、1日以内に願いをかなえ転生させることができるか、聞きに来たということだ。」


私は絶対に無理だと思い、これは断るな、と思った。


しかし、セレスティーナ部長は私の考えとは全く逆のことを言った。


「問題ありません。私たちで対処できます。ただ、仕事が終わったら、ボーナスくださいよ。」


「もちろん、仕事が成功したらボーナスを与えよう。」

そう言い残して、コエトリクエ社長は事務室から出ていった。


私はすぐに部長に話しかけた。

「なにいっているんですか、セレスティーナ部長!6000人もの人を1日で聞けるわけないじゃないですか!!」


わたしがセレスティーナ部長を非難すると、

「そうだなー。無理無理、だけどここはブラック会社だから、断ったらクビよ。それもコエトリクエ社長の前で断ったら社会的に殺される。まあ失敗してもクビだからだだの延命だけどね。」


最悪じゃん。それ。だけど6000人を1日で転移させれるわけがない、もしチート能力を全員に与えることができたとしても、異世界転移ワールドテレポーションをおこなう魔力が足りない。


私はこの絶望的な状況を打破するために、解決策を考えた。・・・・・めちゃくちゃ考えたけど思いつかない。

私がそんな思考のループ?にとらわれている時に、スセリビーネちゃんが無表情のまま口を開いた。


「魔力を集める方法、ある。」

スセリビーネちゃんはぼそっと言った。


「本当?どんな方法があるの?」

私と部長が急いで聞くと

「私の言う通りにして。」


「まず、私とルーナで下界の地震が起きたところに魔力集めに行く。」


「ちょっとまったー私はどうしたらいいの。」


セレスティーナ部長が急いで聞いた。てか、部長が指揮取らなきゃダメでしょ。それに部下に何したらいいか聞くのはダメだろ。


「部長は通常業務して。ルーナ、行くよ」

スセリビーネちゃんは無表情で言って転移テレポートした。私も急いで後に続いた。

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