梅雨空を穿つ矢のような

 百合をテーマにした短編っていわゆる湿度高めなものが多い印象なんですけど、そういうジメっとした部分を可能な限り排して、終始晴れやかなストーリーが軽やかなリズムに乗って進んでいきます。
 
 読者を引き込むタイトルと導入部、確かな文章力に酔いかけたタイミングで時折チェイサーみたいに差し込まれるコメディが心地良い作品。
 
 なんかレモンスカッシュとか、そういうの買っといたらいいかも。読んだ後きっと飲みたくなります。