戦争中の収容所。看守の黒い銃。
昏くズブズブと沈み込むような風景。
絶望が重くのしかかってくるよう。
そんな鬱屈としたストーリーなのに
文章が、語りが、本当に美しくて、
どこを切り取っても絵になりそうです。
虐げられる捕虜の青年。
無邪気な若い兵士。
黒鳥の女は密やかにして妖艶。
庇護欲を掻き立てるファム・ファタール…?
登場人物の台詞がとても印象的です。
長々と語っていないのに
かえって、心情が伝わります。
理不尽に対する静かな憎悪が。
象徴されるのは黒い銃…
ラストにつながる重要な役割を担う。
救われるのか救われないのか?
素晴らしい作品、凄い作者さんです。
お勧めいたします。