父親の鮮血

私の父は吸血鬼だ。吸血鬼って言っても人の血は吸わないけど。

私は半分吸血鬼らしく血液に対する衝動を抑えるために森に

行って小動物から血を吸う必要があるらしい。

正直ハーフに衝動があるかどうかわからないけど一応しとけ

らしい。

正直これ友達に見られるのは恥ずかしいんだよね。

ん?足音がする。


「おまいさんたち吸血鬼さんかい?はい。これどうぞ。」

「この人たちは猟友会の人だよ。たまに手伝いに行って代わりに

血液衝動が来た時に使わせてもらってるんだよ。」

「へー。」


それ以外にも人がいるのは気のせいかな。


「公安のお前さんたち!さっさと行きな!吸血鬼だよ!」


その瞬間銃声がし、父が私をかばい打たれる。


「キャー――――!!!」


お父さん?…何で?夜だから再生しないの?


「公安の人たちか…娘は生かしてくれ。

この娘に罪はない…私はここに来た時に数人殺したその贖罪

の為に殺しても構わん。娘だけは…」

「…贖罪をする吸血鬼もいるのかそんなの経験上初めてだな。」

「そうですね。ただ子供は私引き金引きたくないですよ?」

「こいつに似たやつを1週間前に拾ってな。

あいつだけ拾ってこいつを見捨てて

殺すのはなんか違う気がする。」

「あの眷属ですか?」


見られた…!私もお父さんのように殺されるんだ…。


「なあ。お前は眷属か?吸血鬼か?どっちだ?」

「…私は…半分人間で半分吸血鬼。つまりハーフだよ…」

「おい。お前聞いたか?ハーフだってよ?」

「ホントにハーフ?」

「…うん。」

「ホントにあの眷属やなんやら俺には面白そうな奴が来るな。」

「ただ条件を提示してやる。うちで監視下で働くなら生きさせ

てやる。それが嫌ならここで銃を撃つだけ。どうする?」

「…分かった。」


拒絶すると打たれるのが肌で感じ取れたから頷きながら分かった

としか言えない


「あんたの顔ホントに怖いわね。西村。吸血鬼ちゃんもビビっ

てるわよ。」

「彩。それは俺が傷つくこれでも俺は優男だと思ってる顔だ


私は車に半ば強制的に乗せられる。


「おいあんた。ここはネットがつながるだろ。

母と別れの電話ぐらいしてやれ。」

「え。うん…」


prrrrrrrrrr


「はいもしもし!えずみー?」

「もしもしお母さん?私ね。公安の人と一緒に行くことに

なったの。でも心配しないでね。お父さんは私のことを

守ってくれたから。」

「…そうなのね。お父さん死んじゃったのね。

でも殺した子を恨まないでね。この子達はバンパイアに

親族を殺されたり親友を殺されたり物凄く吸血鬼に恨みを持っ

てる人だから恨まないで上げてね。お父さんも私も人を

殺してるから死んでも仕方ないから恨まないであげてね。

いいお母さんになれなくてごめんね…」

「お母さんはいいお母さんだったよ。」


充電切れか電話はここで途切れる。


お母さんともお父さんとも別れる事になったけど…

こうもあっけなくだったんだな。

はあ。なんかちょっと悲しい。でもお父さんは自分から

死んでもいい者だって自分から言ってたけどやっぱり

悲しいよ。

私は思わず泣き出してしまった。


「う…うううう…」

「なあ。あんたの父親の遺品持ってるが墓を建ててやるよ。

あ。後俺を殺したいなら殺してもいい。それで憂さ晴らしが

出来るなら。俺の場合は少なくとも出来なかった。

惨めな奴だよな。」


そりゃ恨むなと言われても無理だよ。正直西村の事はすっごい

恨んでる殺したいぐらいに。


「殺さない…お父さんにしつこく人を恨んではダメだと

言われてる。でもルールは破るけど嫌がらせはする。」

「そうか。あんたの父親は優しかったんだな。」

「すっごい優しかった。」

「俺も父親がいたな。幼少期に母親は蒸発してそれ以来

片親だが父は頑張って俺を愛情込めて育ててくれた。

だが中学の時に吸血鬼に家を襲われてから俺は孤児になった。」

「西村。唇嚙んで血を出してるよ!」

「あ。ありがとう。彩。」

「ついたぞ。公安本部に。あんたの同僚と会えるぞ。」

「同僚?」

「理性を持った傀儡だ。」

「人間じゃないじゃん。」

「そう言うとあんたは半分人間じゃない。」

「うっざ。」

「いやがらせするんじゃないのか?」

「死ね。」

「酷。」


ここが公安ねー。超能力対策課だけ明らかにやばそうな人間

多くないか?

私こんなとこで働くの?ほんとに嫌なんだけど。


「今から同僚を紹介するぞ。」


ドアを西村がノックする


「おーい。開けるぞ賢。」

「はーい。」


一目見た印象は。こいつ陰キャでオタクだな。ってのが一目でわかった。後本当に部屋汚い。


「きったな。部屋かたずけろよ。隣りの女の子も顔ひきつってる

ぞ。」

「いやー。かたずけは2週間に1回しかやらないんで。てか前の家はミニマリストもびっくりな布団だけの家だったから汚れることもなかったし前の感覚持ってると一瞬で汚くなるんよなー。」


西村の顔があからさまに怒っている。これやばいやつだ。

と思うとその陰キャの顔の真横に銃弾を浴びせた。


「俺はな…汚い部屋は嫌いなんだ?わかるな?」

「私も同意。」

「分かりました…かたずけます…」

「あと賢。こいつが新しい同僚だぞ。」

「うい。」

「まじきも。」

「ひどくない!?」

「あ賢。こいつ半分吸血鬼でスキル持ちだから怒らせないほう

がいいぞ。」

「…スー…分かりました。よろしくお願いします。」

「ふん。」

「仕事だぞ。賢。そういや名前聞いてなかったな。あと父親に

名前はあるか?」

「私は彩香。お父さんはユダ。」

「…今なんて言った?父親の名前は?」

「だからユダって。」

「ん?なんか西村が驚いてるけどユダってなんかあった?」

「ユダは最強の吸血鬼の12使徒の一人だ!あんたは最強の吸血鬼

のハーフだぞ?育てたら化け物になるぞ…正直に言って彩香。

あんたは公安が数人で監視する事になるぞ。取り敢えず

これつけろ。」

「指輪?」

「それは銀の指輪だ。力を抑えられる物だ。」

「私は銀効かないよ?なんか吸血鬼の弱点は全部効かない。」

「は?つまり事実上ユダより強い?」

「身体能力はダメダメだけどねー。」

「すげーじゃん。俺よりつえーじゃん。彩香」

「夜のうちはあんたなんかより強いわよ。少なくとも陰キャには

勝てるわ。」

「ねえ。俺への対応ひどすぎない?」

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Red Geyser okamapopo @okamapopo

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