こぼれ話

燈 歩(alum)

カレンとエヴァリア

 2022年、今年は2本の連載作品が終わりました。「カレン・ホリック」と「悪役令嬢に転生したら、悪役令嬢っぽい言葉しか喋れませんでした」です。カレン・ホリックは2020年から約2年間、悪役令嬢は今年3月終わりから半年ちょっとの期間でした。今回はその2本について書き残していこうかと思います。


 カレン・ホリックのスタートは(先に書きましたが)2020年の10月8日でした。1本目の連載作品を書き終えて1ヶ月後くらいだったと思います。最初の投稿は同年11月25日。2ヶ月弱の期間でプロットを考えて、原稿をストックして、という感じでした。


 完結はさせる、と決意して臨んだのですが、プロットを考えている段階でラストが全く思いつかなかった作品でした。これが本当にしんどかった。


 最後にどんなふうになってほしいか、どういう形で終わりたいか。そういうのを決めてから、その目的地に向かって書き進めていかないと、あっちにふらふら、こっちにふらふらしちゃって。何してんだろう、ってなっちゃうんですよね。


 クライマックスの手前くらいまでは考えたんですが、その先がどうしても見つからなくて、それでも書き進めなくちゃいけなくて、手探りで進んでいました。


 当初の予定では少女漫画的展開や雰囲気にしたかったのですが、それもとても苦手で困りました。あ、私は少女漫画はほとんどわかりません。カレン・ホリックのために、少女漫画というジャンルに少し触れたくらいです。


 主人公であるカレンがどんな人生を歩んでいくのか、という想像も乏しければ、雰囲気を作ることも苦手という、苦手×苦手の作品で、書いている時はずっと心が折れていました(笑)。ストレスで禿げるかと思っていたんですが、人間は案外丈夫なようですね。まだ負荷をかけられそうです。


 書かなくちゃいけないのに書くことが見つからない。面白くしなくちゃいけないのに、面白いことが何一つわからない。苦しい、辛い、逃げ出したい。こんなの絶対むり、書けない、書きたくない……。


 と、そんなマイナス×マイナスの思い出がかなり色濃い作品です。私にとってのカレン・ホリックとは。


 それでもなんとか、ようやく、やっとのことで書き終わって、次に着手したのが悪役令嬢でした。流行りのなろう作品を書こうということで、まず悪役令嬢、その次に追放系、そして俺TUEEEモノと1ヶ月ごとに考える作品を増やしました。


 悪役令嬢が、一番考える時間があったかなぁ。うーん、でも模造紙の書き込み具合を見ると、随分あっさりしてるんですよね。あんまり悩んでないというか。苦労した跡がないというか。


 そもそも「巷で流行っている悪役令嬢なるものを我も書いてみよう」ということだったので、そのノリのままあんまり悩まなかった感じです、恐らく。


 カレン・ホリックで苦労しまくっていたので、それに比べたら全然、大したことなかった。しんどいなぁと思ったのは3作品同時に書き進めている時期ですね。特定のコレが大変っていうよりも、同時に毎日考えなくちゃいけないってことが大変でした。


 悪役令嬢は皆さんに読んでもらうことも、完結もできたのですが、他2作品はまだ整っていないのでどこにも出してません。結構な文字数を書いているんですけどね。いずれお披露目する時が来ると思いますので、気長にお待ちいただければと思います。


 それにしても、こうしてみてみると作家活動を始めた頃から随分積み重ねてきたなぁと思います。


 始めたての頃、同時並行で書くというのはもちろんできず、書ける文字数も全然なかったです。それから、次はコレ書いて、その次はアレ書いて、あの後はソレね、という書く物語が2つ以上溜まっている状況になるとテンパって書けませんでした。


 物語が溜まっていると妙に焦ってしまうというのは今もまだありますが、当時とは違う場所にいる気がします。


 と、まぁ、私からみるとカレンは物凄く大変で、悪役令嬢はあっさりという感じの作品たちでした。


 終わってみると「これこうした方がよかったな」「ここ全然やりきれてないな」なんてことが目に付きます。でも渦中にいた時は書かれている内容でいっぱいいっぱいだったんですよね。


 読み返していると、その時に確かに悩み苦しみもがいていた自分を見つけることができます。と同時に「こんな表現いいな」と思えるものもあったりします。足掻いている中でも一生懸命考えていた証に思えて、ちょっと恥ずかしいけど誇らしい。……単に忘れていることもありますけどね。


 まだまだ拙いなぁと思うことばかりですが、皆さんにとっての「カレン・ホリック」「悪役令嬢に転生したら、悪役令嬢っぽい言葉しか喋れませんでした」はどんなふうですか? よければ教えてくださいね。

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