秘密
「なんで捕まっちょっど...」
「いやあ刑事さんってば抜けてるんだね~~~背後も確認しないでこんな簡単に捕まっちゃうんだからサ。そして、フオーコいつまで寝てるんだこの馬鹿。」
先ほど叩き落とされた獣人はフオーコというらしい。フオーコはフラッと立ち上がり背後から鮫島の首を絞める。薄れゆく意識の中鮫島は思った。
(バディを作っとこうゆことになっで嫌なんじゃ....! ああ、前んバディも...おいん注意が薄かったときに...)
すると、金属が擦れる音がどこからともなくし、
次には青髪の獣人の首が落ちる音がした。その首に火の体液はでず、断面は綺麗に凍っている。
(なんじゃ、なにが起きちょっ...だいか冷却弾でん撃ったんか...?じゃっどんこげん綺麗に凍っわけ...)
鮫島はよく目を凝らし青髪の獣人に捕まっている野島を見る。
「なんじゃそんた...!」
野島の右脚は人とは大きく離れた脚...いや武器へと変貌していた。上と下に伸びるブレードには冷気が漂っている。そして、体ごと振りかぶり獣人の腕を切り落とした。地面に着地すると腕と足にそれぞれ手錠をかけた。火異人の体は火によって繋がっているため断面が凍っていては再生することができない。
「なんだオメエ...火異人に向かうなんてよ!!」
フオーコは鮫島の首を離し、野島へと襲いかかる。が、すんでのところで鮫島が足を掴みそのまま押さえ込んで手錠をかける。
「わいはどうやら脳が足らんのごたっな」
鮫島はそのまま宇井課長へと連絡を入れる。
「15時23分現行犯逮捕。機動隊はもういらん。なぁ宇井、野島って何者じゃっど。おいとは全くちごっサイボーグや。」
「鮫ちゃん、まあありがとな、でも彼女は少し特別だって言っただろ?俺にもよくわからない。上からはこいつを使ってやってくれって言われてるだけだ。なにが隠されてるかなんて知らないが...」
鮫島は通信を切り野島の方へ近づき言う。
「わいんそん脚はなんなんじゃ。見たことなかサイボーグじゃな。」
野島はポケットに入っていたメモを取り出しなにかを書いて渡してきた。
(私の大切な人が残したものです。)
「そうか、決めたぞ。わいは今までん奴らとは全くちごっ。おいんバディになれ。」
野島は少々引いた顔をして
(どうして勝手にバディにするって決めるんですか。)
「なんじゃと~~~仕方なか!ラーメン一杯奢ってやっ。こいでどうだ?」
すると野島はほんの少しだけ口角をあげ、拳を突き出した。
「フン、バディん証ってやつじゃな」
鮫島は野島の拳に自らの拳を付けて言った。
刑事部 火異人捜査一課 鯨臥 @bahamu
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