危機
鮫島は車を走らせながら助手席に座る野島へ質問をする。
「わいなんで火異人課入った。」
野島はジェスチャーで答えようとする。
「なんじゃわい喋れんのか??仕方ねえそこらへんに多分メモがなんか入ってんじゃろ、筆談や筆談。」
グローブボックスからメモ帳を取り出しボールペンで文字を書き出す。
(書きたくもないし、言いたくもないです。)
鮫島はそれを見て生意気な...と思ったが気を取り直してもう一つ質問する。
「そうじゃなしん過去はデリケートってゆもんな質問が悪かったかもな、じゃあ好っなたもいもんななんじゃ?」
(ラーメン)
「ラーメンか(((「鮫島ァ!!!お前野島くん連れてなんて現場連れてく気だァ!!」
無線から聞こえる怒号の主は宇井課長からだった。
「確かに俺は現場に行って試すってのありって言ったけど!!それにしても銀行強盗って!!あまりにも危険すぎだ!そして、野島くんはなんでのこのこ付いてきたんだよ!!」
(無理やりです。)
「はっははは...大丈夫大丈夫だって最悪おいが全部ぶっ倒せばよかど、そげんこっよりもう着いちまったでな」
「ああ...なんてこった...」
鮫島と野島は車を降り事件が起きている銀行へと向かう。
「あ、鮫島さんどうもっす。」
雪豹の獣人は挨拶しながら近づいてきた。
「キミが今日配属されてきた、野島ユウさんね....ボクの名前は浦安コテツよろしくね。」
怪しい雰囲気を醸し出す浦安という男は銀行の方を指差し現場説明をする。
「あの中に火異人が2人、どちらとも獣人です。火は背中と口の端から出るみたいです。」
「面白そうなやつらじゃねえか、早速突撃だァ!」
鮫島は野島の手を無理やり引き連れ銀行に突っ込む。
「野島、相手は銃やナイフはあんまり持っちょらんこっが多か。じゃっでといって油断すんな、あんわろらは火を操って武器にすっ。化け物や。」
裏口にこっそり近づいていく。どうやら鍵は開いているようだ。
「不用心な奴らやなあ。」
ゆっくり音を立てぬよう開き、腰に付いていた拳銃を手に取り構えながら奥へと進んでいく。野島も続いて進んでいく。すると奥から犯人であろう声が聞こえてきた。
「ハッハッハッッッいやぁやっぱり火異人って最強なんだよ!簡単に銀行制圧できちまった。あとは脱出するだけだが...そこに誰かいるんだろう。ナァ?」
犯人はハイエナの獣人だ。ギロギロした目でこちらを見る。その口の端は大きな傷が付いていた。
「噂には聞いてるぜ、鮫島だろ。お前アピ服用者の間じゃ有名だ。お前がいると迷惑だからよ、出てこいよブッ殺してやる。まあ人違いだとごめんだけどな。」
鮫島は犯人の前に立ち塞がり言う。
「わいみてなクソチビどもは何千と見てきたがよ。だいが負くっかこんアホ。」
すると犯人は頭の血管が切れたのか鮫島へ噛みつこうとする。鮫島はその太い腕で受け止め、そのまま持ち上げて床に叩き落とした。
「ゴハァッッ!!」
犯人は口から火を吹き倒れた。火異人の体液は全て火なのである。
「フンッ身ん程を知れ、犯罪者ども」
「そこでやめた方がいいんじゃないかな?」
背後から声が聞こえた。鮫島は腕を後ろに振り攻撃しようとする。すんでのところでかわされてしまった。
「危ないなあ、いいの?こんなべっぴんさんのバディさん、ボクの背中の炎で燃やして栄養にしちゃうけど?」
出てきたのは青髪のハイエナの獣人だった。野島の首を掴んでいる。
「サァ鮫島さんはどう動くんでしょうねぇ?バディさんを傷つけないようどう助けるんでしょ?」
「舐めねまりやがって....」
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