刑事部 火異人捜査一課

鯨臥

遭遇

「火異人捜査一課に新しく誰か配属されるらしいぞ」

「あんな復讐者の溜まり場に配属されんの?かわいそうだわ〜」

「どんな奴が来るんだろうな、でもどうせ1週間で辞めるぜ?」

「なんてったってあそこは元api服用者とかサイボーグの化物とかが集まってんだ無闇に近づかない方がいいぜ。」




「こちらが今日から火異人捜査一課に新しく配属された野島ユウさんだ。みんな久々の新人だからって調子乗るなよ~~~。さぁ野島さん、挨拶お願いできるかな?」

野島ユウと紹介されたがっしりとした体型の女性は一歩前に出て深々とお辞儀し、大きく息を吸うと


「ゴフッゥ!!」


「うおおお野島さん大丈夫か?!」

宇井課長と目の前にいた他の警官たちはとてもびっくりしている。

野島は少しびっくりした顔で喉を押さえている。

「風邪でも引いてるのか?いやあスマンね。挨拶は後でいいよ。とりあえず野島さんをよろしくね。」


野島は紹介が終わった後自分の席へと向かう。

「そういや鮫ちゃんどこ行った?」

ふと宇井課長は鮫ちゃんと言う人物を探し始める。

「鮫島さんなら今現場行ってますよ。さっき捕まえたって報告来たんでそろそろ帰ってくるんじゃないでしょうか」

すると、

「おらぁ!!帰ってきたぞ!!」

「おーおー鮫ちゃん帰ってきたのかぁ。お疲れ、今日も元気なこって。」

勢いよくドアを開け訛りの効いた大きな声を出して入ってきた人物、彼が鮫島だ。彼のシャツから見える屈強な腕は人工で出来た筋肉に包まれたサイボーグ、頭は不思議な形をした仮面のような形状をしている機械である。

「鮫ちゃん今日は何人捕まえてきたんだ?」

「朝だけで5人や!」

相当なエリートだそう。すると宇井課長は顔色を変え真剣な声色で言う。

「鮫ちゃん急な相談なんだがよ、今日配属したあの子のバディになってもらえないかな?ベテランなんだから、手取り足取り教えられるだろ〜」

宇井課長は野島のほうを指差す。鮫島は野島を見てスクリーンに映る目をムッとさせて言う

「宇井、おいはもうバディを作ったぁやめたってゆちょっじゃろ。実際、おい1人で犯人たくさん捕めてんじゃっでじゃ。」

鮫島ひどくバディを作ることを嫌いとしているらしい。

「ま、だろうと思ったよ。でもな鮫ちゃん、あの野島って子は今までのとは違うからな。現場に一回出てから決めてみな。」

そう言うと宇井課長は仕事があるからとその場を去っていった。

「宇井んやつめ...おいを舐めてんな。おいはゆたんじゃもう二度とバディは作らんと決めたとな。」

そう言うとズカズカ歩きながら野島の前に行く。

「おい、わいが野島ってゆやつか。わいけ死まん自信あんのか。」

野島は鮫島の目を見て大きく頷く。

「ふん、わいみてなやつ全員けしんでった。けしまんなんて言葉はもう信じられんくなっちまった。」

悲しそうな目で何かを思い出すように話す鮫島。すると、

「鮫島さん!!B区で火異人が銀行強盗してるって!」

1人の刑事が報告に来た。

「んだとぉー!!」

鮫島はさっきとは全く違うドスの聞いた明るい声色で叫ぶ。鮫島はダッシュで車の鍵を取り野島を車に無理やり乗せ言う。

「今から銀行強盗ん現場行ってわいを試してやっ。けしまんようなやつやったやわいとバディ組んでやっ。よかね。」

野島は何が何だかわからない状態でコクコクと首を縦に振り2人は現場へと向かった。

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